伝統工芸品・常滑焼の型メーカーが、技術を生かして乳がん患者向けの人工乳房づくりに乗り出している。5月には病気で顔の一部を失った人のための人工ボディー(エピテーゼ)も初めて作製した。常滑焼が苦境に直面する中、新分野開拓に意欲を見せる。 この会社は1954年創業の「マエダモールド」(愛知県常滑市)。長年、皿や急須の石膏(せっこう)型を作ってきたが、安い中国製の陶磁器が出回るようになり、ペットボトルの茶も普及。急須を中心とした常滑焼の従来の製品が売れなくなるのに合わせ、タイルなど建材の型作りに移行するなど試行錯誤を続けてきた。 「このままでは仕事がなくなる」。前田茂臣社長(43)が危機感を募らせていた2009年、人工乳房が型から作られることをテレビ番組で知った。当時、高精度の3Dスキャナーを導入したばかり。「うちの型作りの技術なら精密に作れる」と思い立った。 型作りよりも苦労したのは、本…
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