サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコが保有する石油施設へのドローンを利用した攻撃は、世界経済にも大きな衝撃を与えた。イエメンの親イラン武装勢力が攻撃を行ったと声明を発表したが、他方でポンペオ米国務長官はイランの直接の関与を示唆した。ただしトランプ大統領自身は、確証を得ているものの「犯人」を敢えて特定せずに、サウジアラビアの対応待ちの姿勢をツイッターで表明している。 イランのハッサン・ロウハニ大統領との対談を模索し、同時に対イラン強硬派と目されたボルトン補佐官の解任という政治的事件が起きた直後なだけに、幾重にもきな臭さを感じさせる出来事だ。あたかも安倍晋三総理がイランの最高指導部と会見を重ねた直後に、日本の海運会社が保有するタンカーがホルムズ海峡で攻撃されたことを想起させる。