「グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者」―。中学校社会科の学習指導要領が育成目標として掲げる人間像だ。そうであれば、わが国の安全保障環境が著しく悪化している現状と原因を学ぶことが大切なはず。前回述べたように、中国やロシア、北朝鮮という独裁・強権体制が国際秩序を乱している世界情勢を理解するため、そのルーツである共産主義を「負」の側面も含めて知ることも必要だということだ。引き続き3月に検定合格が発表された中学校の歴史教科書を見ていきたい。 「平和」結びつけ今回検定に合格した中学校歴史教科書は、東京書籍(東書)▽帝国書院(帝国)▽教育出版(教出)▽山川出版(山川)▽日本文教出版(日文)▽自由社▽育鵬社▽学び舎▽令和書籍(令書)―の9社版。令和7年度から使用される。 ロシア革命(1917)の記述からみていきたい。礼賛トーンが色濃いのが、教出と学び舎だ。「パンと