日本政府が紛れもなく歴史的な規模の景気悪化を乗り切ろうと腐心している中、財務相がしどろもどろで無能な様子を見せるには、これ以上悪いタイミングもない。 しかし2月16日、与党自民党のベテラン議員で、財務相を務める中川昭一氏は、週末にローマで開かれたG7の記者会見に酔っ払って臨んだ疑惑を必死に否定する立場に追い込まれた。 記者会見での呂律の回らない発言や眠たそうな様子――本人は風邪薬を飲みすぎたせいだとしている――は、窮地に追い詰められた政権が、世界的な金融危機が日本に与える影響に効果的に対処できない、無能さの象徴となってしまう恐れがある。 戦後最悪どころではない、もっと悲惨な恐慌も 日本が抱える問題の大きさは、昨年10~12月期のGDP(国内総生産)が前期比3.3%縮小したという数字、さらには、今年1~3月期に事態の改善を予想するエコノミストがほとんどいないという事実が如実に物語って