好きが高じたとはいえ、その行為が許される理由など存在しない。JR西日本の社員を装って同社の制服をだまし取ったとして、詐欺容疑で和歌山市の無職の女(28)が2月下旬、和歌山県警に逮捕された。女は、クリーニング店に長い間つるしてあった制服を言葉巧みに入手したのだが、その動機については、店につるされた制服を見ているうちに「鉄道が好きで、制服がほしくなった」と供述。JR西関係者の間からも「これまで聞いたことがない事件だ」という声さえあがる。店員をだましてまで制服を手に入れたかった理由は何なのか。真相は、いまだに見えない。(藤崎真生)「JRが特に好き」 事件が起こったのは2月5日の午後。和歌山市内のクリーニング店に1人の女がフラリと姿を見せた。店の外からでも、ガラス越しにクリーニングを終えた衣類が見える構造。女の目当てはただ一つ。昨年11月ごろからカウンターの後ろにつるされていたJR西日本の男性社員