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ブックマーク / web.sfc.keio.ac.jp/~iba (19)

  • 井庭崇のConcept Walk | 創造性(クリエイティビティ)の新しい捉え方

    僕の創造システム理論では、「創造」は「発見」(小さな発見、気づき)の連鎖だと捉える。 つまり、ある活動やプロセスが「創造的」(creative)であるというのは、「発見」が次々と生まれているかどうか、だと考えるのである。「発見」が途絶えてしまい、もう生み出されなくなってしまった活動・プロセスはもはや創造的と言うことはできない。 このとき、得られた発見の内容や、生み出した成果が、社会的に見て、新規性があったり、価値があるものか、ということは、ひとまず問わない。それは、創造の観点ではなく、社会的な観点だからである。 なぜそのように考えべきだと考えたかというのを、二つの話でしたいと思う。 ひとつめは、子どもが登場人物である。「積み木」で遊んでいた子が、しばらくしてその積み木でドラムのように音を出したとする。それに合わせて、誰かが歌を歌ったとしよう。この子たちは、創造的だろうか? 僕はその子たちは

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    massunnk 2013/02/17
  • 井庭崇のConcept Walk | パターン・ランゲージ3.0とは (新バージョンの説明)

    僕は、パターン・ランゲージの進化を、「3つの波」で捉えている。ここで「波」と呼ぶのは、このパターン・ランゲージの進化が断絶的な移行を意味するのではなく、段階が進むごとに新しい特徴が加わっていく加算的な発展であるためである。 そして、これらの波それぞれに、便宜上の名前をつけている。アレグザンダーによって提案された建築分野でのパターン・ランゲージが「パターン・ランゲージ 1.0」、その後ソフトウェアの領域に輸入・展開されたときのものが「パターン・ランゲージ 2.0」、そして、人間活動のパターン・ランゲージが「パターン・ランゲージ 3.0」である。 この3つの波は、「デザインの対象」「デザインの特徴」「ランゲージの使い方」という3つの視点で比較することで、それぞれの特徴が明らかになる。 (クリックで拡大) 1. デザインの対象 3つの波を捉える第一の視点は、「デザインの対象」である。まず、パター

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    massunnk 2013/02/17
  • 井庭崇のConcept Walk | パターン・ランゲージ4.0(社会・コミュニティデザインの言語)の構想

    これまで井庭研で作成してきたものは、人間行為(human action)のパターン・ランゲージだった。学び、プレゼン、コラボレーション、いきいきと美しく生きる、社会変革などなど。これらのパターン・ランゲージを、僕は「パターン・ランゲージ3.0」と呼んできた。 パターン・ランゲージ3.0の「3.0」としたのは、それ以前の「1.0」と「2.0」と僕が呼ぶものとの対比を明確するためであった。1.0は、アレグザンダーたちの建築のパターン・ランゲージ、2.0は、ソフトウェアや組織のパターン・ランゲージである。 これまで僕は、パターン・ランゲージを、1.0 + 2.0 + 3.0というかたちで捉えてきたが、これに、新たに 4.0 を加えたいと思う。「パターン・ランゲージ4.0」(Pattern Language 4.0)である。 (クリックで拡大) パターン・ランゲージ4.0は、「社会・コミュニティ」

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    massunnk 2013/02/17
  • 井庭崇のConcept Walk | パターン・ランゲージによる診断と、診断システム

    アレグザンダーの『オレゴン大学の実験』には、「マスタープラン」に代わる「診断」の原理が論じられている。昨年から井庭研で取り組み始めている診断システムとの関係を考えてみたい。 何かをつくるとき、マスタープラン、つまり基計画をつくるのが一般的だが、そのようなマスタープランでは、ひとつの「全体」というものを創造できない、とアレグザンダーは言う。部分を集めた総体性(totality)を生み出すことはできても、全体性(whole)は創造できないという。 全体性は有機的秩序としてのみ形成可能であり、有機的秩序は漸進的成長によって生み出される。アレグザンダーは有機的秩序を「部分の要求と全体の要求との間に完璧なる均衡が存在する場合に達成されるような秩序である」、漸進的成長とは「ごく小さな歩調で前進していくような成長」であると定義する。 同書でアレグザンダーは「有機的秩序の原理」を提案する。 「計画と施

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    massunnk 2013/02/17
  • 井庭崇のConcept Walk | ある一人の研究者の転換点をめぐるメモワール

    いまから振り返ると、2008年から2010年あたりの僕には、研究における大きな変化があった。 そのあたりの経緯については、あまり語ったことがなかったので、ここで覚え書きとしてまとめておくことにしたい。 2008年は僕にとって、まず最初の特別な年だった。2009年度の僕のサバティカル(研究休暇)に向け、研究会の新規募集を止めた。そのときいた1〜3年生のメンバーは、翌年僕がいない1年間を過ごすことになるので、僕がいるうちに伝えられること・一緒にできることをすべてやろうと思った。 そうして2008年は、僕も自分の個室ではなく、学生が集う共同研究室に常駐するようにした(いまの井庭研のスタイル)。何もなくても、学生と同様に、共同研究室でひとり作業をすることも。なんでもないやりとりも含めた密接な立ち位置。 2008年は、学習パターン(ラーニング・パターン)を制作した年。春から学生たちが取り組んでいたが

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    massunnk 2013/02/16
  • 井庭崇のConcept Walk | パターン・ランゲージの全体像をつくるときの(密かな)こだわり

    パターン・ランゲージ制作の後半では、どのように全体像をつくるのか、これまであまり語ることがなかったので、ここで書いておきたいと思う。 全体像をつくるというのは、実は単なるボトムアップではなく、部分→全体、全体→部分を行ったり来たりしながら構造化していく。 そのときに、僕のなかにいくつかの方針(制約)があって、チューニングしながらつくるのである。 その方針(制約)の第一は、「3つ」でまとめるということ。全体を3つに分ける。個々のパターンも3パターンでひとまとまりとする、など。ラーニング・パターンも、プレゼンテーション・パターンも、コラボレーション・パターンもすべて「3」でまとめている。 方針の第二は、中心(No.0)をつくる、ということ。パターン・ランゲージにNo.0をつくっているのは、実は僕らぐらいのもので、これにはこだわりがある。このパターン・ランゲージの中心に位置するもの(センター)は

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    massunnk 2013/02/14
  • 井庭崇のConcept Walk | 生きのびるための「生きた言語」をつくる — 防災のパターン・ランゲージ

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    massunnk 2012/12/09
  • 井庭崇のConcept Walk | パターン・ランゲージは、現状を肯定しながら少しずつ成長することを支援する

    パターン・ランゲージはマニュアルやハウツーとどう違うのか、という質問をよく受けた。最近はあまり聞かれなくなってきたけれども、4、5年前はむしろこの質問しか来なかった。この質問には実はなかなかうまく答えられなかったのだけれども、最近、ようやく納得できる説明ができるようになってきた。 僕らがパターン・ランゲージで目指しているのは、「これをこの手順でやるべし」というひとつの大きな枠にはめ込むことではなく、「いまの自分のやり方をベースとしながら少しずつ拡張・成長していくことの手助け」をすることだ。たくさんのパターンを含むパターン・ランゲージを前にしたときに、すべてのパターンを実践しなければならないという強迫観念を持たないようにしてほしいと思っている。 パターンは、こうしなければならないというルールではなく、いまの自分らしいやり方を少しずつ拡張していくためのヒントだからだ。「大きな枠にはめ込んで自

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    massunnk 2012/12/07
  • 井庭崇のConcept Walk | 発想言語「新生復活の未来ヴィジョン」

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    massunnk 2012/06/18
    発想言語(http://web.sfc.keio.ac.jp/~iba/sb/log/eid332.html)の一例。「温故知新」ってやつですね。論語にある言葉もこういう発想言語を記していたのかも。
  • 井庭崇のConcept Walk | 発想言語(アブダクション・ランゲージ)の基本形式

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    massunnk 2012/06/18
  • 井庭崇のConcept Walk | 創造社会における「参加」(内と外の融解)について考える

    「創造社会」(Creative Society)とはいかなる社会かを考え、その姿を描いてくために、このブログではいろいろな観点から、創造社会や創造性について考えていくことにしたい。 今回は、モリス・バーマンの「参加」(participation)の概念を手がかりに考えてみたい。バーマンは『デカルトからベイトソンへ:世界の再魔術化』のなかで、近代の科学的意識とは別の意識として「参加する意識」(participation consciousness)について述べている。 バーマンによると、「参加する意識」とは、「自分を包む環境世界と融合し同一化しようとする意識」(p.14)のことである。これに対して、科学的意識は、「自己を世界から疎外する意識」(p.14)であり、「自然への参入ではなく、自然との分離に向かう意識」(p.15)であるという。 バーマンのいう「参加」(participation)と

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    massunnk 2012/06/16
  • 井庭崇のConcept Walk | KJ法のコツ(パターン・マイニングのための収束思考)

    井庭研では、パターン・ランゲージをつくる際に、自分たちのこだわりをブレインストーミングによってたくさん出したあと、KJ法によってまとめていく。そのときのコツがあるので、以下に書き出してみたい。 KJ法では、まず、大きなテーブルの上に、模造紙敷き詰める。複数枚の模造紙をテープでつなげて広い平面をつくる。この紙面の広さが、思考の可能性の広さだと考えた方がよい。なので、なるべく広くとりたい。 そして、その上に、アイデア(パターン・マイニングの場合には、取り組んでいるテーマに対するこだわり・コツ)を付箋に書いたものをランダムに貼っていく。この付箋は、その前の段階のブレインストーミングで書かれたものである。 模造紙の上に、貼ってみて、適度に空白のスペースがある方がよい。(ただし、実際問題として、かなり多くの付箋がある場合には、空白がつくりにくい場合もある。次のコラボレーション・パターン プロジェクト

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    massunnk 2012/05/10
  • 井庭崇のConcept Walk | コラボレーション・パターン プロジェクト活動映像#1

    現在、井庭研では、創造的なコラボレーションのパターン・ランゲージ「コラボレーション・パターン」(Collaboration Patterns)を制作しています(→ 井庭研B1シラバス)。 そのパターン・ランゲージ制作の活動風景を、映像としてまとめて、公開していきます。 第一弾は、パターン・マイニングのためのブレイン・ストーミングの回。 コラボレーションにおける重要なこだわりについて、とにかくたくさん挙げていきます。テーブルの上が徐々に埋まっていく感じを、映像で追体験してみてください。 Vimeo "Brain Storming for Making a New Pattern Language for Creative Collaborations (Collaboration Patterns Project #1)" Recorded by Collaboration Patterns

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    massunnk 2012/05/07
  • 井庭崇のConcept Walk | 「創造」とはどういうことか?

    先日の井庭研 2011年度最終発表会での僕の講演「創造社会の思想と方法」のスライドをアップしました。 この講演では、「創造」とはどういうことかについて、作家の言葉を紹介しながら迫っていきました。 僕のメインメッセージは、次の通り。 格的な「創造」とは、自分と創造物との間の主客の境界があいまいになるなかで、意識の外にある必然的な流れをつかまえるということである。 講演では、このことに関係する発言をしている作家の言葉をたくさん取り上げました。取り上げたのは、宮崎 駿 氏、久石 譲 氏、ミヒャエル・エンデ 氏、村上 春樹 氏、スティーヴン・キング 氏、森 博嗣 氏、小川 洋子 氏、谷川 俊太郎 氏と、川喜田 二郎氏。 これらの作家たちの言葉を次のようなまとまりで束ねて、「創造」とはどういうことかについて語りました。 つくっているのではなく、つくらされているという感覚 つくるというのは、冒険であ

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    massunnk 2012/03/16
  • 井庭崇のConcept Walk | 2012年度春学期「シミュレーションデザイン」シラバス

    2012年度春学期の「シミュレーションデザイン」(井庭 崇, 古川園智樹)のシラバスを書きました。開講曜日時限は、火曜 3・4限です。がっつり文献を読んで議論するので、やる気のある人はぜひどうぞ。 科目:シミュレーションデザイン 担当:井庭 崇, 古川園智樹 開講:火曜 3・4限 【主題と目標/授業の手法など】 複雑で動的に変化するシステム --- 例えば生命や社会など --- を理解するためには、それに見合う道具立てが必要になります。そのような「思考の道具」として、科目では「シミュレーション」の考え方に着目します。ここでいう「シミュレーション」とは、最も広義の意味で捉え、「物事の関係性が設定された状態から、それらの時間発展を内生的な変化として展開し、その振る舞いを観察して対象への理解を深める」ことを指します。この授業では、そのように広義に定義されたシミュレーションについて、思想・手法・

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    massunnk 2012/03/16
  • 井庭崇のConcept Walk | NHKスーパープレゼンテーションの初収録……緊張した!

    NHKの春からの新番組「スーパープレゼンテーション」という番組にレギュラー出演することになりました。 NHK Eテレ 毎週月曜日 23:00〜23:25 「スーパープレゼンテーション」 4月2日(月)より 放送開始 http://www.nhk.or.jp/superpresentation/ この番組では、あの有名なTEDカンファレンスから、毎週おすすめのプレゼンテーション(talk)を、解説つきで紹介していきます。 メインのMCは、伊藤 穣一さん(MITメディアラボ所長, Joi Ito's Web)。 そして、英語ナビゲータ―は、 Kylee さん(アメリカ在住の女子高生シンガー, Kylee OFFICIAL WEB)。 番組での僕の役目は、TEDトークを「プレゼンテーション・パターン」で読み解くというもの。プレゼンテーション・パターンは、創造的プレゼンテーションの秘訣を34個まと

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    massunnk 2012/03/13
  • 井庭崇のConcept Walk | 無限と有限の組合せで何が生まれるか? ー 「ChaoticWalker」公開

    多様で複雑なカタチを生成できるソフトウェア「ChaoticWalker」を公開し始めました。ぜひ、ダウンロードして、遊んでみてください! http://www.chaoticwalk.org/ このページから、簡単な登録後、実行ファイル(jarファイル)をダウンロードできます。Javaで書かれているので、基的にはどのOSでもいけるはずです。 このソフトウェアで体験できることは、次のことです。 「無限」を生み出すカオスは、そのままでは不規則でかたちは生成できないのですが、それに数値の桁数を区切るという「有限性」の枠をはめることで、カタチが立ち現れる! こういう非常に興味深い現象を考察するためのツールなのです。 とはいえ、まずは、難しいことは考えずに、実行してみて、いろんなかたちを生成してみてください。 ChaoticWalker 0.80 ChaoticWalker Lite 0.80 こ

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    massunnk 2011/07/01
  • 井庭崇のConcept Walk

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    massunnk 2010/07/01
  • Vision of Semi-Public Network

    「自己変革能力のある社会システムへの道標: 複雑系と無気力の心理学の視点から」 井庭崇 (1998年8月) 第四回読売論壇新人賞佳作, 読売新聞社, 1998 1.自己変革能力のある社会システムを目指して 硬直した巨大システムの中で、途方に暮れる無気力な人々――――これが現在の 日を象徴する構図である。人々は、自分ではコントロールできないほど巨大化した システムを前に、時代遅れのシステムのルールを仕方なく受け入れ、その状況を変え ようとする気力や手段を喪失している。 かつてA・ハーシュマンは、社会や組織の変革の力として退出(exit)オプション と発言(voice)オプションの二つの重要性を述べた。退出オプションとは、ある政党 を選択しなくなったり組織を脱退するという退出行為を通じて社会を変える方法であ る。一方、発言オプションとは、その政党や組織に対し直接意見を述べることによっ て社会

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