世界中で愛される作品を送り出してきた大ベテランの“宮崎駿”監督への功労賞的な意味合いが濃かった受賞でしたが、そちらの映画は徹底してリアルからファンタジーへと突き抜けていくアニメーションが凄まじい濃密な物量で描かれており、見ている間はそのクリエイティブの気迫に圧倒されっぱなしでした。 一方、この第96回アカデミー賞の長編アニメーション部門にはもう一作の有力候補があり、多くの推しファンを抱えていた映画がありました。 それが本作『ロボット・ドリームズ』です。 『ロボット・ドリームズ』は『君たちはどう生きるか』とは真逆のような作品です。『ズートピア』のような動物を擬人化したキャラクターが日常をおくる世界観になっていますが、ニューヨーク・シティを舞台にしており、その生活風景は生々しいくらいに私たちの世界と地続きです。ニューヨークらしさがあちこちに溢れています。 そしてその絵のタッチは、子ども向けの絵