4月の第1週、東京の桜の木に咲いた繊細な花は風と雨に吹き飛ばされてしまった。衝撃と畏怖のようなこの気象は、日銀の金融緩和プログラムの2周年にふさわしかった。これまでのところ、アベノミクスは実体経済よりも資産価格にずっと大きく貢献してきたからだ。 アナリストらが第1四半期の日本の経済成長予測を1.5%に下方修正する一方で、株式市場は3月初旬の高値をほぼ維持している。 この状況は変わろうとしていると見る向きもある。トヨタ自動車などの大手企業の賃上げ意欲が新たな好循環の引き金になると彼らは言う。 内需が改善し、所得増加がもたらす良性のインフレが悪性のデフレに取って代わり、企業が自社株だけでなく、ほかのものへの投資も始める好循環だ。 好循環が生まれるのを期待できない理由 願わくは、そうなるといい。だが、当面は、経済成長の基盤をより強固なものにし、株式市場のレベル(安倍晋三首相が自身の計画を発表した