◆『電波男』を読んだよ。 本田透著『電波男』というサブカル系ギャグエッセイを読みました。ネットジャーゴンを多用した文章ならではのテンポのよさや、おたく・引きこもり・ニート・負け犬・オニババなどのテーマのビビットさから、すらすら読むことができ、なかなか楽しめる一冊でした。ただし、前者の長所ゆえ、ローカルルールを共有していない人は読みづらく、後者の長所ゆえ、数年後には読むためのコードを共有している人が確実に減っていることから、共時的にも通時的にも読者を選ぶ一冊であることには間違いないでしょう。 この本を読む楽しみは、Ⅰ.ほとんどの言葉を理解できた、ということを確認する楽しみと、Ⅱ.過剰なルサンチマンの暴走ぶりへの共感と享受という楽しみ(含、なんて不憫な…と憐憫のまなざしをむけつつ、自分は遥かにマシなんだとほっと胸を撫で下ろす楽しみ)の2つにほとんど支えられていると言えます*1。Ⅰ、Ⅱを合わせて