ロシアによるウクライナへの侵攻によって、世界が食料危機になる。そう言っても過言ではない状況が起きている。それも過去に世界が体験した事情と比較しても、より深刻であることがわかる。日本もその波にのみ込まれるはずだ。 まず、小麦の国際価格が上がっている。ウクライナは世界第5位、ロシアは第1位の小麦の輸出国で、両国で世界の小麦輸出量の約3割を占める。この小麦の供給が不足する恐れから価格が上昇した。 実際に農地が荒らされているばかりでなく、黒海の港が閉鎖されたことで倉庫に保管されている小麦が運び出せずにいる。それにトウモロコシも両国で世界の輸出の約2割を占める。国連食糧農業機関(FAO)が今月6日に明らかにしたところによると、ウクライナから約2500万トンの穀物が輸出できない状況にあるとされる。 この状況に振り回されるのが、両国に小麦の輸入を依存する中東やアフリカの諸国だ。両国に70%以上を依存する