前回はセラミックキャパシターの新しい構造について説明しましたが、高周波になるとさまざまな因子が影響しますのでやはり適材適所の使用が重要です。 振り返ればセラミックキャパシターも今回で7回目になります。今回は今までのまとめとして使用上の注意点やディレーティングについて説明したいと思います。 種類2(クラス2、あるいはクラスII)のセラミックキャパシター特有の現象の1つに時間とともに容量が減少するエージング現象があります。この種の誘電体はセラミックキャパシター(2)で説明したように分子構造がわずかに歪み、電荷分布が非対称になっています。このため分子が特定の方向にそろいやすくなり全体として自発分極と呼ばれる強誘電性を示す現象を発生させます。 しかし、このわずかな歪みは周辺の分子から応力を受けることにもなります。ですので時間とともに分極粒界(グレイン)内で特定の方向にそろうことよりも、図1に示すよ
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