「技術の進歩と商用化の加速とともに、中国の燃料電池車(FCV)の生産は大幅な増加が期待できる。2030年には、世界のFCVの保有台数は1000万台を突破し、そのうち中国では200万台を超えるだろう」 中国の工学・科学技術分野の最高研究機関である中国工程院のメンバー(院士)で、上海交通大学の学長を務める林忠欽教授は、9月3日、水素エネルギーの活用に関するフォーラムでそんな予測を示した。 FCVは、中国政府が普及を後押ししている「新エネルギー車」の1つだ。車両に搭載した燃料電池で水素と酸素を化学反応させることで電気エネルギーを作り出し、モーターを駆動して走行する。FCVは二酸化炭素(CO2)を排出しないため、モビリティ分野の「脱炭素」を実現する有力な選択肢の1つとなっている。 (訳注:新エネルギー車は中国独自の定義で、FCV、電気自動車[EV]、プラグインハイブリッド車[PHV]の3種類を指す