取材を進めると、同教授は中国の国政助言機関、人民政治協商会議(政協)の王滬寧主席とパイプがあることや、日本の学生を対象にした中国の“プロパガンダ事業”活動歴、また家族が警察とトラブルになった問題などが関係者らの証言で新たに浮上した。それらの行動のいずれかが中国当局から問題視された可能性も指摘されている。 日本在住の中国人研究者としては、今年3月に神戸学院大学グローバル・コミュニケーション学部グローバル・コミュニケーション学科の中国人教授、胡士雲氏(63)が、范氏と同様、昨年夏に一時帰国して以降所在不明となっていることが本誌報道で表面化したばかり。いずれもスパイ関連を取り締まる国家安全部(省)などの中国当局に拘束された可能性が指摘されており、関係各方面が注目している。