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ETV「原発事故 “最悪のシナリオ”~そのとき誰が命を懸けるのか~」(3月6日)は、東日本大震災による、東京電力福島第1原子力発電所(1F)のメルトダウンの連鎖の大事故において、危機管理の要諦である“最悪のシナリオ”想定した、大局的な視点に立って、政府ことに官邸や東京電力、防衛省、自衛隊などが動いたかどうか。 検証ノンフィクションの傑作である。東日本大震災から10年を迎えて、日本の危機管理体制は当時と変わったのだろうか。残念ながら、番組の答えは否である。(カッコ内の肩書はいずれも当時、敬称略) 政府の一部が検討した“最悪のシナリオ”は、メルトダウンの事故後の1年後に情報公開請求によって明らかになっている。取材チームは、これに加えて日本政府、米軍、自衛隊、東電がそれぞれ描いていた“最悪のシナリオ”の資料も入手した。 細野豪志(首相補佐官)は、「私が得た極秘情報のなかで、このシナリオだけは当時
3.11の10年目にあたって 東日本大震災・東京電力福島第一原発事故発生から10年目を迎える。 10年を経てしかし、東日本大震災の被災地の復興は遂げられていない。 津波被災地の造成地の多くが空き地のまま。福島の避難者の多くは帰らず、廃炉どころか汚染水問題さえ解決の目処はついていない。 私たちはこの被災地の現状を一体どう考えたらよいのだろうか。 震災から10年経って、私たちは新たな国家レベルの危機を迎えている。 新型コロナウイルス・パンデミック。しかしそこで見えているのは10年前の私たちよりさらに能力の劣った危機管理の現状である。 一体私たちは東日本大震災のこうした復興状況から何を学べばよかったのだろうか。 まずはこのコロナ禍で見えてきたことから考えてみたい。
まさかこんな山の中で津波が起きるとは東日本大震災、私は福島県の山の中で津波が発生したと聞いて現場にかけつけた。目にしたのは水がなくなったため池。須賀川市にあるため池「藤沼ダム」(藤沼湖とも呼ばれる)は、地震の揺れで堤体が決壊し、水が一気に山の斜面を流れ落ち、山腹にある集落を飲み込んで8人の死者・行方不明者が出た。 底が見える泥沼のようなため池を眺めながら老夫婦が「海で津波がなければ、これが間違いなく新聞の1面だっただろうな。まさか、こんな山の中で津波が起きるなんて…」と話していた。 災害が起きた後の現場に行けば、「まさかここで、こんな災害が起きるとは思わなかった」という話を必ずといっていいぐらい耳にする。しかし、須賀川で聞いた「まさか」は、それまで聞いた「まさか」とは違い、説得力を感じた。 生かされなかった教訓 地震や豪雨によるため池被害東日本大震災では、実に全国で3700カ所のため池が被
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