【香港=伊原健作】香港政府は30日、機密を盗み取るスパイ行為などを幅広く取り締まる「国家安全条例」の制定手続きを開始する。2020年に施行された香港国家安全維持法(国安法)を補完する内容で、香港の社会統制は一段と強まる。政府トップの李家超(ジョン・リー)行政長官が記者会見し、同日から市民からの意見募集など制定に向けた作業に着手すると表明した。立法会(議会)にも草案を提出する立法手続きを始める。
香港では上映どころか、タイトルを口にすることすらできないドキュメンタリー映画『時代革命』。あの時、何があったのか? 表現の自由が失われた国安法以降の香港社会で何を思うのか? キウィ・チョウ監督に聞いた。
【區 龍宇(おう・りゅうう)】 1956年生まれ。社会活動家、労働問題研究者。99年、中国における労働・環境問題をリサーチする非政府組織(NGO)「グローバリゼーション・モニター」を創立。2006年、世界貿易機関(WTO)第6回閣僚会議に対するアクションで「香港民衆連盟」代表の一人となる。著書に『台頭する中国:その強靱性と脆弱性』(14年)、『香港雨傘運動:プロレタリア民主派の政治論評集』(15年、共に柘植書房新社)など。 2019年夏、逃亡犯の中国本土引き渡しを認める条例への反対運動をきっかけとして香港全体に広がった民主化運動は、広く内外の人々の関心を集めた。 しかしこの運動は、20年6月、香港国家安全維持法(国安法)の可決・施行により、50年間続くとされた「一国二制度」「高度な自治」そのものが実質的に終焉する、という思いもよらない形で幕を閉じた。国安法により、すでに多くのメディア関係者
【中国ウォッチ】一党独裁反対は「国家政権転覆」 香港政治の中国化、決定的に 2021年11月05日13時30分 香港市民愛国民主運動支援連合会(支連会)が主催した天安門事件犠牲者の追悼集会でキャンドルを掲げる民主派活動家たち=2019年6月4日【AFP時事】 中国の習近平政権が制定した国家安全維持法(国安法)体制下で民主派弾圧が強化されている香港で、共産党の一党独裁反対が「国家政権転覆」と見なされることが明確にされた。反中・反政府の言動を徹底的に取り締まる国安法をさらに拡大解釈した形で、香港政治体制の中国化(社会主義化)が決定的になった。(時事通信解説委員・西村哲也) 香港立法会選、届け出開始 民主派出馬は至難 ◇民主派連合組織の登記抹消 民主派政党・団体の連合組織だった香港市民愛国民主運動支援連合会(支連会)について、香港政府は10月26日、組織としての登記を取り消した。支連会は9月に国
【香港=木原雄士】「雨の中のつらい別れ」。香港紙・蘋果日報(アップル・デイリー)は24日、最後の新聞を発行して26年の歴史に幕を閉じた。通常の10倍以上となる100万部を印刷。繁華街の販売店には未明から同紙を買い求める市民が長い列をつくり、廃刊を惜しんだ。蘋果日報は香港で民主派支持を鮮明にするほぼ唯一の日刊紙だった。2020年6月施行の香港国家安全維持法により幹部が相次ぎ逮捕され、資産も凍結さ
習近平の大誤算…いよいよ香港から「人」も「カネ」も大脱出が始まった! 中国経済の「致命傷」になる可能性も… 香港からの「大撤退」が始まった! 中国によってフリーポートで国際金融都市の香港は落日を迎えるだろう。中国が全人代(全国人民代表大会)で香港の立法会も民意も無視し、香港基本法に背いて、国家安全保障法制(国安法)の香港導入を決めたからだ。 米国はこれに対して一国二制度が破壊されたとして、香港政策法で規定されていた香港の関税や査証に関する優遇措置の撤廃を発表している。すでに昨年一年の香港デモの影響で香港の資金引き上げ、資産脱出が始まっていたが、この流れを加速させ、決定づけることになった。 一般に資金の避難先はシンガポールだといわれている。シンガポール金融管理当局は4月の段階で、非居住民の預金が前年同期比44%増であることをメディアに公表したが、これら資金は香港から来たものだとみられている。
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