2018年12月期の売上高は前期比2.9%減の7573億円、営業利益は同14.8%減の667億円だった。2017年12月期の売上高が前期比(2016年1月~3月期と2016年4月~12月期決算の合計との比較)で約2割増だったことを考えると、これまで順調に進んできたかに見えた業績回復の流れが曲がり角にさしかかっていることは明らかだ。 在庫整理で工場稼働率が大きく低下 減収減益の主な原因は、自社と販売代理店にたまった在庫整理に伴う工場稼働率の低下だ。2016年の熊本地震で供給が止まり、品不足が発生した教訓もあり、取引先の半導体商社がそれ以前よりも在庫を多く積み増すようになった。しかし、2018年にルネサスの売上高が鈍化した際にこの問題が顕在化。2018年夏ごろから工場の稼働率を下げて在庫調整に着手し、在庫減らしの代償で利益率も急速に悪化してしまった。 この影響は2019年も残りそうだ。棚卸資産