8月から中国各地で始まった計画停電は、徐々に範囲が広がっている。石炭価格の高騰影響はあるものの、電力不足が起きているわけではない。今回の計画停電は、あくまで中国政府による脱炭素推進策の1つだ。 「計画停電は中国的な需給調整だ。中国で電力不足で起きておらず、電力危機でもない」。こう語るのは、中国のエネルギー事情に詳しい日本総合研究所フェローの井熊均氏だ。 今、世界のエネルギー価格が高騰している。原油価格は7年ぶりに高値を付け、天然ガスも同じく7年ぶりの高値となった。天然ガス価格の高騰から欧州ではエネルギー危機が発生。中国の爆買いはLNG(液化天然ガス)スポット市場の高騰に拍車をかけている。そもそも新型コロナからの経済回復でエネルギー需要は世界的に上昇しており、天然ガスだけでなく石炭の需給も厳しさを増している。 そんな中、起きた中国の計画停電だからこそ、石炭供給の不足や石炭価格の上昇が原因であ
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