「サブプライム問題の影響はまだ製造業にはあまり及んでいないが、“ボディーブロー”のように、じわじわと効いてくるに違いない…」 こんなボヤキが、日本のメーカーからよく聞かれるようになった。 米サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題に端を発する景気減速の影響がどこまで及ぶのか。メーカー関係者は今も戦々恐々としている。 だが一方、米国の景気減速を逆手に取り、米国を輸出拠点としてうまく利用し始めるメーカーも出てきた。稼いだドルを米国に再投資して、輸出を拡大していく。そこには米景気の減速とは別の風景が広がっている。 信越化学は中東・アフリカへ 住宅建材などに使う塩化ビニール樹脂で、世界のトップシェアを握る信越化学工業は、米国からの製品輸出を本格化している会社の1つだ。 市況変動の影響を受けやすい塩ビと半導体向けシリコンウエハーを事業の柱にしながら、同社は9期連続の経常増益を実現した。
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