ロシアのウクライナ侵攻を巡って、中国の習近平国家主席の対応が注目されている。ロシアへの批判を控える中国の狙いはどこにあるのか。米国在住の中国民主活動家、楊建利(ようけんり)氏(58)に聞いた。【聞き手・ワシントン秋山信一】 ロシアのプーチン大統領によるウクライナ侵攻の「失敗」が明らかになるにつれて、習氏がロシアと米欧諸国のはざまでどう対応すべきか難しくなっているとの指摘がある。しかし、そうした分析は誤りだ。習氏はプーチン政権を存続させるために支えるだろう。弱体化したプーチン政権は中国を脅かす力を失うが、米欧にトラブルを引き起こすだけの力は維持し、結果的に、米欧の中国に対する圧力が分散される。中長期的には中国にとって「ベストシナリオ」とも言える状況が生まれつつある。 ウクライナ侵攻に関して、中国は決して中立ではない。最初からロシア側に立っていたのは明らかだ。中国は近年、米国や日本、欧州諸国か