IMFが発表した外貨準備の構成通貨データ(COFER)を見ると、ドルの比率は58.22%と過去最低値を更新した。そんなドルの代わりに台頭しているのが、カナダドルや豪ドル、人民元である。堅調なドル相場をよそに、外貨準備でのドル比率の低下は何を意味しているのだろうか。(唐鎌 大輔:みずほ銀行チーフマーケット・エコノミスト) ドル比率は過去最低を更新 9月30日、IMF(国際通貨基金)から外貨準備の構成通貨データ(COFER)が公表された。為替市場を中長期的に展望するにあたって重要なデータであるため、筆者は定期的に観測している。 世界の外貨準備は、2024年6月末で前期比▲36.2億ドルの12兆3474億ドルと微減だった。今年4~6月期に関して3月末と6月末で比較すると、名目実効ドル相場(NEER)は約1.8%上昇した。その分、世界の外貨準備に占めるドル比率は価格効果もあって嵩上げされた可能性が