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ブックマーク / newswitch.jp (211)

  • 150℃下で充放電1時間、「リチウム電池」独自技術で成果 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    スリーダムアライアンス(3DOM、東京都港区、松村昭彦社長)グループは、独自のセパレーター技術を応用したリチウムイオン電池(LiB)の耐久試験で、150度Cの高温環境下で充放電を1時間続けても、正常に働いたとの研究結果をまとめた。従来型LiBの課題だった内部短絡や膨張などの異常は認められず、LiBの高温耐久性を高める効果を裏付けた。 耐熱性が高いポリイミド樹脂を基材として使う独自開発のセパレーター技術「X―SEPA」を用いた研究の成果。それによるとX―SEPAを応用したセパレーターと、高温に強い仕様の電解液を採用したLiBは、150度Cの環境下で行った1時間の耐久試験で、充放電を正常に繰り返した。電池の発火や爆発の原因になる内部短絡などの問題は起きなかったという。 60度Cの環境下では充放電が3000サイクルに迫っても、電池の容量維持率を60%以上に保てた。ポリオレフィン製のセパレーターと

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  • 浮体式洋上風力で雇用約100人…人口減少の離島で起きた〝再生エネ経済革命〟の実態 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    九州の西端、五島列島の長崎県五島市は、再生可能エネルギーによって地域経済の“浮上”が始まった。浮体式洋上風力発電1基の稼働をきっかけに10億円規模の電力事業が立ち上がり、再生エネ関連で100人近い雇用が生まれた。人口減少に直面する離島で起きた“再生エネ経済革命”の実態を探るため、五島市の中心である福江島を訪ねた。(編集委員・松木喬) 「子どもたちが野球の練習試合に行きやすくなった」。 福江商工会議所(五島市)の清瀧誠司会頭は目を細める。地域新電力「五島市民電力」が上げた利益で遠征費の一部を支援できるようになったからだ。 五島市も子どもが減り、野球チームは練習試合のために九州土へ遠征する。フェリーだと長崎市まで3時間。土曜の午前に出発して長崎で試合後に宿泊し、日曜に島へ帰るため費用がかかる。五島市総務企画部未来創造課ゼロカーボンシティ推進班の川口祐樹主査も「親に遠征費を出してと言いにくかっ

    浮体式洋上風力で雇用約100人…人口減少の離島で起きた〝再生エネ経済革命〟の実態 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社
  • パワー半導体業界再編に号砲…ミネベアミツミの6年越し構想、日立子会社買収の影響度 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    ミネベアミツミが日立製作所子会社の日立パワーデバイスを推定400億円程度で買収する。当初の構想から6年越しでの取得で、「脱炭素の切り札」として需要が拡大するパワー半導体の一貫生産体制が整う。電源など自社の他製品とのシナジー効果も発揮し、2027年3月期に半導体事業の売上高を2000億円規模(23年3月期比2・5倍)まで伸ばす。多数の企業がひしめく国内パワー半導体業界にとっては再編の号砲でもある。(山田邦和) 27年3月期、売上高2000億円 ニッチトップに 「当初の構想から時間はかかったが素晴らしい会社を買収できた」。ミネベアミツミの貝沼由久会長兼最高経営責任者(CEO)は2日の決算会見で、日立パワーデバイス買収についてそう説明した。「当初の構想」とは何か。話は6年前にさかのぼる。 「半導体事業として売上高1000億円規模をどう実現するか」。2017年、ミネベアミツミの矢野功次常務執行役員

    パワー半導体業界再編に号砲…ミネベアミツミの6年越し構想、日立子会社買収の影響度 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社
  • エンジン不正で業績不振の日野自動車、本社工場敷地の一部を三井不動産に500億円で譲渡 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    日野自動車は28日、社・日野工場(東京都日野市)の敷地の一部を三井不動産に譲渡すると発表した。社敷地の4分の1に当たる11万4000平方メートルの土地で、譲渡益は約500億円。2023年7―9月期決算で特別利益を計上する。三井不動産はデータセンター(DC)として活用予定。日野自は財務基盤安定化を目的に、日野工場の生産を主に古河工場(茨城県古河市)へ移管・集約している。残り約32万平方メートルの土地は当面、日野自が所有する方針だ。 両社は同日付で不動産売買契約を締結した。日野工場は大・中型トラック部品や金型の生産を継続するが、将来は他工場に移管する計画。 日野自はエンジン不正の影響などで業績不振が続くが、24年3月期は4期ぶりの当期黒字を見込む。

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  • 抗がん剤 “体内で” 大量生産、理研・東工大が技術開発 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    理化学研究所の田中克典主任研究員らは27日、抗がん剤を体内で大量に生産する技術を開発したと発表した。さまざまな有機化学反応に使われ、特定の官能基に対して強い親和性を示す遷移金属触媒に注目。開発した触媒と抗がん剤の材料をマウスに投与すると、体内で抗がん剤を作る化学反応が加速。がん治療の効果が見られることが分かった。新たながんの創薬・治療方法の確立につながると期待される。 東京工業大学との共同研究。成果は英科学誌ケミカル・サイエンス電子版に掲載された。 これまでに遷移金属ルテニウムを含む触媒を開発しており、生体内で抗がん剤の骨格を作るという新しい医薬品の合成法を報告している。より効果を高めるために同触媒に含まれている塩素をヨウ素に代えたところ、血液中に数日存在しても安定的で少量でも化学反応が円滑に進行することが分かった。 がんのマウスに開発した触媒を加えると、体内で抗がん剤を大量に合成でき、治

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  • 三菱ケミカルG・三井化学・旭化成…「脱炭素」前面の化学メーカーが訴求する新材料・新技術 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    化学各社が脱炭素への貢献に向け、さまざまな製品・サービスの提案に力を入れている。三菱ケミカルグループや三井化学は、環境負荷低減に寄与する新素材を開発。旭化成は新たなリサイクル技術の開発などに取り組む。一方、住友化学は独自のカーボンフットプリント(CFP)算定システムの無償提供を進めている。化学製品はモノづくりの川上に位置するだけに、取り組みが脱炭素化を支える基盤になる。(山岸渉) 三菱ケミカルグループは特殊ポリカーボネート樹脂「ザンターXFシリーズ」を開発した。環境面での懸念が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)を使わずに、高い難燃性を実現。スマートフォンのバックカバー向けなどの用途を想定する。 一方、三井化学や出光興産が出資するプライムポリマー(東京都中央区)は、ガラス中繊維強化ポリプロピレン(GFPP)を前面に押し出す。短繊維GFPP中の残存繊維を長く維持することで、長繊維GFPPに

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  • 究極のエネルギー「核融合」実用化へ壁、燃料「トリチウム」に供給懸念 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    究極のエネルギーとして期待を集める核融合。実用化を目指し、プラズマ制御などの技術開発が進む。だが、足元では燃料である三重水素(トリチウム)の供給懸念が高まっている。トリチウムは核融合発電に必須でありながら、供給が一部地域に限定される。今後は供給量が減っていくことが予想されており対策が求められる。(小林健人) 「国際熱核融合実験炉(イーター)はもちろん、スタートアップにおいてもトリチウムの供給問題は議論に上るはずだ」。京都大学発ベンチャーの京都フュージョニアリング(KF、東京都千代田区)の中原大輔経営企画部部長はこう話す。 核融合発電にとってトリチウムは重要だ。現在、多くの研究機関やスタートアップは重水素とトリチウムの核融合反応(D―T反応)による発電を目指している。ただトリチウムは自然界にほとんど存在しない。そのため商用の核融合発電では、炉自身でトリチウムを増やす必要がある。具体的には反応

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  • 鹿島がダム工事を完全自動化、材料製造から打設まで ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    鹿島は秋田県東成瀬村で進める成瀬ダム堤体打設工事で、土砂とセメント、水を混合して作る材料「CSG」の自動搬送と自動ダンプトラックでの運搬・荷下ろし作業を実現した。すでに適用している自動ブルドーザーによるまき出しや、自動振動ローラによる締固め作業と合わせて、CSGの製造から打設に至るまでの全作業を完全自動化。今後も建設機械の自動運転機能の向上や自動化機種の増強によって適用作業を広げていく。 同社は人手や熟練労働者不足、生産性向上、労働災害撲滅といった建設業界の課題に対応するため、建設機械の自動運転を中心とする自動化施工システム「クワッドアクセル」を開発。成瀬ダムの工事では2020年度からCSG打設にクワッドアクセルを導入し、順次、自動化建設機械を稼働させてきた。 23年度からは長距離ベルトコンベヤーなどを介し、CSGを製造プラントから堤体まで直接かつ自動供給するようになった。CSGを荷受けし

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  • 世界出荷 “最低水準”…事業撤退・縮小相次ぐスマホ端末市場、生き残りの道はどこか ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    モトローラの折り畳み式スマホ「レーザー 40 ウルトラ」。同社は新製品を相次ぎ投入し日市場で存在感を高めている スマートフォン市場の成熟化が鮮明だ。2023年の世界出荷は過去10年間で最低になる見込み。逆風化で日の端末メーカーが事業を縮小したり断念したりする動きが相次ぐ。また端末出荷が低迷する中、電子部品メーカーに対する値下げ圧力がさらに強まる可能性がある。新常態に入ったスマホ市場を生き抜くためには、端末メーカー、電子部品メーカーともに新たな戦略が必要になる。(阿部未沙子、山田邦和) 23年に入り、日の携帯端末メーカーが相次いで事業撤退や縮小を決めた。京セラは25年3月末までに一般向けスマホからは一部撤退し、法人需要の多い高耐久性スマホなどに集中する方針。またバルミューダは次期モデルの開発は困難として、スマホ事業からの撤退を決めた。 ほかに富士通の携帯端末事業を引き継いだFCNT(旧

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  • 貨物運送の倒産急増、物流「2024年問題」到来待たず… ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    2024年4月からトラックドライバーの残業が年間で960時間に制限される「2024年問題」まで半年となる中、その影響が出始めている。信用調査大手2社の調べによると、23年1―9月期の道路貨物運送業者の倒産件数はすでに例年を大幅に上回った。燃料価格の上昇、ドライバー不足、コロナ緊急融資の返済などが要因だ。政府は物流革新緊急パッケージで対策に乗り出したが「足元の中小零細の倒産は止まらないだろう」(帝国データバンク)と見る向きもある。(編集委員・板崎英士) 帝国データバンクの調べによると、23年1―9月の道路貨物運送業者(トラック運送、宅配便)の倒産件数は220件で、前年同時期の169件を大幅に上回った。200件を超えるのは軽油価格が大幅に上昇した14年以来9年ぶり。倒産理由は燃料などの物価高が82件、人手不足が28件だ。 東京商工リサーチの調べでも、同期間の倒産件数は234件。前年同期は174

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  • 民間主導で初、富士通・理研が完成させた量子コンピューター2号機の全容 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    ハイブリッド基盤実装 国産第2号の量子マシンの実機が完成―。富士通と理化学研究所は、理研が3月に公開した国産初号機となる64量子ビット超伝導量子コンピューターの開発ノウハウを土台に、新たな64量子ビットの量子コンピューターを開発したと5日発表し、実機を披露した。既存の古典計算機上で動作する40量子ビットの量子シミュレーターと、量子コンピューターをシームレスに連携するハイブリッド基盤を実装した。今後は産業界を中心に用途開発の共同研究を進める。(編集委員・斉藤実) 今回は国産機としては2番目だが、「理研RQC―富士通連携センター」をベースに、民間主導で開発した初の国産機となる。理研の中村泰信量子コンピュータ研究センター長は「1号機と2号機はハードウエア・ソフトウエア開発で両輪となる」とそれぞれの役割を示唆。また、公募していた1号機の愛称が「叡(えい、英語表記はA)」に決まったことも明らかにした

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  • 成長の青写真は不透明…東芝は非上場化で生まれ変われるか ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    産業パートナーズ(JIP)陣営による東芝のTOB(株式公開買い付け)が成立した。年内に非上場化され、上場企業としての74年の歴史に幕を閉じる。株主が一化されることで、長年続いた経営の混乱に終止符を打つことが期待されるものの、収益力改善に向けたその先の成長戦略の青写真は不透明なままだ。東芝は生まれ変わることができるのか。(編集委員・小川淳) 「多くの株主の皆さまに当社の考え方をご理解いただけたことに深く感謝する。当社グループは新しい株主の下、新たな未来に向かって大きな一歩を踏み出す」―。東芝の島田太郎社長は21日、JIP陣営によるTOB成立を受け、コメントを公表した。 総額2兆円の買収にはJIP陣営に対して国内金融機関の融資のほか、ロームが3000億円、オリックスが2000億円、日特殊陶業が500億円をそれぞれ出資するなど、東芝の再生に向けて幅広い支援が広がる。21日には中部電力が1

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  • 【イグ・ノーベル賞】望みのカレー・ワイン再現…立ち上がる“味覚メディア”、複雑な味の再現に挑む ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    “味覚メディア”が立ち上がろうとしている。フードプリンターとして静的な味調製デバイス、電気味覚として動的な味変調デバイスがそろった。望みの味のべ物を生成し、べながら調整できるようになってきている。すでにカレーやワインのような大きな分類では味を再現できてしまう。課題はシャトー・ラグランジュの何年物など、細かな味の再現だ。これも大規模言語モデル(LLM)の普及で集合知として解決する道が見えてきた。(小寺貴之) 「受賞をとても光栄に思う」―。明治大学の宮下芳明教授は2023年のイグ・ノーベル賞(栄養学)を受賞した。東京大学の中村裕美特任准教授と箸やストロー型のデバイスで電気味覚の味変調効果を検証した論文が評価された。電気味覚は微弱な電流を流して舌表面のイオンの動きを制御する。舌を正に帯電させるとプラスのナトリウムイオンが舌から離れ、塩味は薄くなる。電圧を反転させると滞留したイオンが舌に吸着し

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  • 有機フッ素化合物の規制強化へ、代替素材を探るも多くの懸念点 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    産業界で有機フッ素化合物(PFAS)の規制動向が注視されている。欧州でPFASの製造・使用を一括で規制しようとする動きが進み今後、規制案の審議が格化する。米国でも規制強化が検討されている。ただPFASは半導体や電気自動車(EV)など多様な産業に不可欠で、代替がきかない用途が多い。日企業も規制の影響は避けられず、一括規制への懸念や見直しを求める声が上がる。(大川諒介) ある半導体製造装置部品メーカーの幹部は、「原料のフッ素樹脂の在庫を中長期で積み増していく」と方針を明かす。念頭にあるのは、フッ素化学を取り巻く需給バランスの変化だ。国内外で半導体工場の建設が活発化する中、装置部品やインフラ部材、特殊ガスなどに使うフッ素化学品は需要の増加が見込まれる。 ただ多くのフッ素化学品はPFAS規制強化の影響が見込まれ、化学大手の米3Mが2025年末までのPFAS製造撤退を決めるなど供給の先細りが懸念

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  • 洋上風力拡大のカギを握る「浮体式」発電機、大量導入で世界レベルの発電量へ ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    国内の風力発電整備で、洋上風力の拡大が見込まれている。日風力発電協会(JWPA)によると2022年末時点で風力発電の国内導入量は陸上中心で480万キロワット。国内発電電力量の0・9%(環境エネルギー政策研究所〈isep〉調べ)に過ぎないが、30年代からは洋上風力が急増する見通し。同年代半ばからは発電機を洋上に浮かべる「浮体式」の大量導入が見込まれる。日の風力関連産業を世界レベルに育成するチャレンジとなる。(いわき・駒橋徐) 大きな潜在力 50年めど6000万kW導入 国内の洋上風力導入量は現状では14万キロワット。今後は発電機を海底に固定する「着床式」の設置エリアが港湾区域から一般海域に広がり、31年度までに41件(出力合計1820万キロワット)の運転開始が計画段階にある。JWPAは洋上における風力発電の潜在性について、水深50メートルまでの着床式で1億2800万キロワット、同100―

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  • TSMCは早くも第4工場…「半導体狂想曲」に期待と不安、熱狂の陰で忍び寄る課題 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    国内で“半導体狂想曲”が鳴りやまない。九州や北海道は大規模な工場建設ラッシュに沸き立つ。一方で、世界的な市況悪化に加えて、建設業に残業規制がかかる2024年問題などが活況に水を差しそうだ。半導体大国復活への道のりには、期待と不安が入り交じっている。(編集委員・鈴木岳志) 台湾・TSMC 早くも第4工場 23年7月、台湾積体電路製造(TSMC)の経営幹部がひそかに来日し、経済産業省幹部らと会談した。主な目的は新工場への補助金の“確約”を得るためだが、対象の新工場は24年春にも着工予定の第2工場ではないという。「第3工場までの補助金確約はすでに得られているので、今回の来日は第4工場に関する交渉だったようだ」(事情通)。水面下の話し合いは想定以上の速さで進んでいる。 熊県内でも立地に関するうわさが飛び交う。ある地元関係者は「現在菊陽町に建設中の第1工場の隣接地はもはや余裕がなく、第4工場からは

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  • 14km先に光給電…NTTと北見工大が世界最高の伝送性能達成 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    NTTアクセスサービスシステム研究所と北見工業大学は29日、光ファイバーで14キロメートル先に光給電し、世界最高の伝送性能を達成したと発表した。光ファイバーで電力を届け、その電力で通信装置を動かして毎秒10ギガビット(ギガは10億)の双方向通信を運用する。電源のない地域での通信確保や災害対応などへの応用を見込む。 4のコアを含むマルチコア光ファイバーで14キロメートル先に光を送る。通信信号は波長1310ナノメートル(ナノは10億分の1)の光、給電は1550ナノメートルの光を使い分ける。給電光は光電変換器で電力に換わり、受信機や送信機を稼働させる。実験では1の光ファイバーで二つの送受信システムを運用できた。光ファイバーの戻り光を抑えて出力を3割ほど向上させた。14キロメートル先で約1ワットの電力を得られ、毎秒10ギガビットの伝送速度を実現。これは一般向け光通信サービスの最高値と同等になる

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  • 核融合国際プロジェクト向け、三菱重工が世界最大級の超電導コイルを完成 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    三菱重工業はフランス南部で建設中の国際熱核融合実験炉「ITER(イーター)」向けに、世界最大級の超電導コイルであるトロイダル磁場(TF)コイルの最終号機を完成させた。量子科学技術研究開発機構から受注した5基目。高さ16・5メートル、幅9メートル、総重量300トンと巨大だが、炉内で核融合反応を起こすために必要な1万分の1以下の精度で製作した。 日はITER向けTFコイル19基中9基を製作し、そのうち三菱重工が5基を担当。量研機構と共同開発の超電導体を高精度で巻線する技術や溶接・加工技術などにより、高精度を実現した。 三菱電機が巻線部を製作し、外側構造物を韓国で製作した後、三菱重工の二見工場(兵庫県明石市)で一体化して完成した。4基は現地据え付けが進んでおり、最終号機も今後据え付けられる。 ITERは核融合エネルギー実現に向けた大型国際プロジェクトで、日は主要機器の開発・組み立てを担う。三

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  • 「エコキュート」を増産するパナソニックの勝算 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    パナソニックは自然冷媒ヒートポンプ給湯機「エコキュート」の年間生産台数について、2025年度までに22年度比約8割増の30万台に引き上げる。主力の草津工場(滋賀県草津市)にラインを増強するなどして生産能力を高める。政府の省エネルギー給湯機の普及促進支援やエネルギー消費量実質ゼロの住宅「ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」の増加で需要を見込む。 エコキュートは大気の熱を利用して少ない電力で湯を沸かす。欧州で主力のヒートポンプ式温水給湯暖房機(A2W)と共通の基幹技術を活用。環境対策として欧州のA2W市場が急拡大したのと同様、エコキュートの日市場の成長にも期待する。 草津工場では22年度に組み立て工程、23年度に貯湯タンクなどの部品を生産する源泉工程を増強。貯湯タンクなどの大型部品は国内生産が必須のため、需要拡大に合わせて生産能力の増強を続ける。 【関連技術】 パナソニックも注目する元白熱電

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  • 半導体・蓄電池製造に立地政策競争、用地・水どう確保する? ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

    半導体や蓄電池など重要物資のサプライチェーン(供給網)強靱(きょうじん)化に向け、国内に生産拠点を整備する製造業の動きが活発化している。一方で、足元では自治体が産業用地不足や工業用水の安定供給といった課題に直面している。経済産業省は農地転用に必要な手続きの迅速化や工業用水補助金制度の拡充策などを通じ、企業が立地しやすい環境整備を急ぐ。企業の国内投資を促し、地域経済の活性化にもつなげる。(下氏香菜子) 「世界で立地政策競争が始まっている。世界に伍(ご)していけるような取り組みが求められている」。2023年春に開いた国内投資拡大に向けた官民連携フォーラムで岸田文雄首相は戦略的な産業立地政策の重要性を強調した。経済安全保障上の懸念から、欧米など主要国が重要物資の安定確保に向け、大規模な財政出動を伴う政府主導の産業政策を強化しているためだ。 日政府も供給網の強靱化に向けた政策を打ち出している。2

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