ここ数年、グリーンスムージーやジュースクレンズなど、生の野菜や果物を使ったジュースがブームになりました。この中心にあるのが「酵素ブーム」の存在。酵素を扱った本や雑誌の特集が増え、日本にも「酵素に気をつけることは、どうやら体によいらしい」という認識が根づきました。 しかし同時に、「『酵素入りのドリンクやクリーンスムージーなどのジュースで、酵素は簡単に補える』と勘違いする人が増え、間違った知識が蔓延(まんえん)している」と警報を鳴らす学者もいます。農学博士で『自分史上最高の腸になる!腸で酵素をつくる習慣』(朝日新聞出版)の著者でもある高畑宗明さんです。 「そもそも『生の野菜や果物を体内にとり入れて酵素を補給する』という理論の酵素栄養学には、科学的根拠が一切ありません。酵素はタンパク質の一種なので、体内でアミノ酸として分解されます。酵素として生まれ変わるのはほんの一部で、摂取した酵素すべてが補