田村正紀さんの最新作。田村正紀(2008)『立地創造――イノベータ行動と商業中心地の興亡』白桃書房( asin:4561631682)。立地というと、地理学者の仕事のようなイメージもあるけれども、マッカーシーの4Pが place を含むのに象徴されるように*1、流通・マーケティングの理論家や、店舗経営論者にとっても、重要な関心事といえます。しかし、いくつかの例外を除いて、流通・マーケティングの領域で、立地とか場所とかいったものを正面から取り上げた著作は、これまでありませんでした。本書は、流通・マーケティングの理論家が立地について本腰を入れて論じた数少ない著作の1つといえます。ただし、多少値がはります。ご興味のある方は覚悟して買いましょう(3570円!)。この本の中で、田村さんは、「同業種集積」と「異業種集積」の区別にこだわっています。地理学サイドから見れば、なぜそこまでこだわるのかがわから