一九八九年に大量の人骨が見つかった東京都新宿区戸山の旧陸軍軍医学校跡地で、財務省が年明けにも発掘調査を始める。軍医学校の元看護師の女性が「人体標本が埋められた」と証言した三カ所の一つで、市民団体が調査を求めていた。中国で人体実験をしたとされる「七三一部隊」との関連が指摘されてきたが、真相究明につながる可能性もある。 現場は、財務省が管理していた国家公務員宿舎跡で、八九年に国立感染症研究所を建設中、大量の人骨が発見された場所の近く。当時は新宿区の鑑定で「人骨は百体分以上」「日本人とは異質とみられる人種が含まれ、ドリルや銃の跡がある」-などの見解が示された。軍医学校には七三一部隊の日本での研究拠点もあったが、人骨との関連は分かっていない。 研究所用地とともに三カ所の一つだった厚生労働省宿舎跡は、今年二~六月に同省が調査し、人骨は見つからなかった。三カ所目となる今回の現場は、元看護師が「人体標本