東京都新宿区大久保で昨年十一月、木造の古いアパートが焼け、生活保護を受けていた高齢男性五人が死亡した火災。遺体は生活保護の葬祭扶助で荼毘(だび)に付されたが、四人の遺骨は引き取る人がなく、山梨県上野原市の寺に安置されていることが分かった。一人は今も身元が確定せず、三人は親類が引き取りを拒んだ。都会で孤独死することの厳しい現実が突き刺さる。 (大野孝志) 「故不詳男性 新宿区11-02018」。火災後に重体が続き、十二月四日に死亡した男性の遺骨の箱には名前がなく、番号が付いていた。新宿区などによると、元路上生活者だった男性の身元は今も確認できず、親類らの連絡先も分かっていない。他の四人のうち一人は引き取られたが、三人は区の担当者が親類に連絡しても、引き取りを拒否された。