エア御用、という言葉がある。なかなかややこしい定義で、まず「お上に雇われ、学識をねじ曲げる学者」を意味する「御用学者」が先にあり、次いで「雇われてはいないのにお上に与する見識を述べる者」として「エア御用」がある、という構成だ。 はっきり言えば極めて恣意的な定義である。「正しい見識」がどのようなもので、それに対して「どのように間違っている」のか、ということを見定めるのは、少なくともその道の専門家でもない限りはほとんど不可能なことだが、実際に「エア御用」と呼ぶ側は何ら専門知識を持たぬ市民である。実質的にこれは「自分の信じることを否定するものをエア御用と呼ぶ」に等しい。 あらゆる問題について適用可能なレッテルではあるが、現状これは原発事故に絡む諸問題について「自分たちが信じる危険性よりも安全な認識を示す者」に対して用いられている。 この恣意的な呼称に対する、「市民」の側からの正当性主張は概ね次の