これまで人前で泣くことはなかった達也だが、退団セレモニーでは大粒の涙を流した 【Getty Images】 田中達也は、浦和レッズからの戦力外通告を覚悟していた。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督のサッカーに順応しようと精進を重ねたが、期待に沿う働きをできなかったからだ。監督の思い描く理想と剥離するプレーから、今のチームに居場所はないと痛感した。 本人は自らの個性とチームスタイルがマッチしないことを自覚していたが、それは言い訳にしかならないとも思っていた。すべては努力が足りなかったから出場機会を得られなかったと言い、決して他人に責任を転嫁することはなかった。もちろん浦和を離れるのは悲しかったが、チームの力になれない自分がここに残るのは許されないこともよく理解していたように思う。 それよりも、ここ数年に渡ってケガを繰り返し、何度も戦線離脱してチームの力になれなかったことを悔いていた。チームやサポー