監督:細田守 脚本:奥寺佐渡子 まず。力作である。で。 ボクが80歳の老婆の誘拐を描いた岡本喜八監督の「大誘拐」という映画を映画館で再見したときに書いた一部分を引用する。 http://d.hatena.ne.jp/toshi20/20050605#p1 だが、久しぶりに再見していて、別の感慨を得もする。 この映画、すでに「現代」では不可能な犯罪になってしまったのだなあ、などとも思った。そもそも原作自体が結構古く、古き良き「村社会」という性善説めいた信頼関係に寄っかかった物語構造なので、当時でも感じられた「ファンタジー」の色合いが、今見ると一段と濃く感じられる。 この映画は一言で言えば、あこがれの高校の先輩にしてこの映画のヒロイン・陣内夏希の、90歳の曾祖母を中心に広がる「親戚」というコミュニティと出会った主人公・小磯健二くんが過ごす、4日間の出来事の話である。 細田守監督は世界観を「ぼく