【ロンドン=内藤泰朗】北朝鮮による人権侵害の実態を調査する国連調査委員会のマイケル・カービー委員長は24日、ロンドンで会見し、前日の公聴会で証言した英国在住の北朝鮮脱出住民(脱北者)たちの体験は「衝撃的なものだった」と述べ、この事実を世界に知ってもらう必要があると強調した。 カービー氏らは、23日の公聴会で男女4人の脱北者たちから聞き取り調査を実施。脱北者の証言によると、脱北に失敗した者は尋問所や刑務所に連行されて、男女関係なく、看守たちに手足を縛られたうえで裸にさせられ、隠し持っている金品を没収するための「身体検査」を受ける。 さらに、脱北者たちは常に、看守たちによる拷問や性的な暴行といった屈辱的な扱いの標的となり、高さが50センチしかない入り口の独房に動物のようにはって入るなど「耐え難い生活」を強いられているという。 聞き取り調査では、脱北者の強制送還を続けている中国の対応も指摘された