佐藤雄平福島県知事(右)と面談する(左から)枝野幸男経済産業相、細野豪志原発事故担当相ら=福島県庁で12月18日 東日本大震災で史上最悪の深刻な事故を起こした東京電力福島第1原子力発電所について、政府は昨年末、「冷温停止状態」になったとして事故収束に向けた工程表のステップ2完了を発表。事実上の「収束宣言」だが、周辺住民の帰還のめどが立たず、地域経済の崩壊、健康不安など被災地の感情とはかけ離れ、政府の対応への批判と怒りが募っている。 今後、40年以上にわたる廃炉作業、広域の除染など未知の領域の困難が待ち構える。原子力を基軸にした日本のエネルギー政策は大幅な見直しが必至で、産業政策の基盤である文明観の転換をも迫られる。原発立地の先駆けとなり首都圏への電力供給基地を担ってきた福島県はついに「全原発の廃炉」を打ちだした。日本の岐路の原点をフクシマから見る。 福島県は昨年12月に公表した県復興計画案