現行の年金制度の大きな課題は二つある。一つは、昨日、書いた、基礎年金の国庫負担分3.3万円を下回るような低年金の受給者の底上げ。もう一つは、今日の日経にもある、パートの主婦や非正規労働者への社会保険の適用拡大である。国民には、抜本改革の絵空事ではなく、この二つに対して、きちんとした答を持っている政党を選んでほしいものだ。 この二つの問題に対する基本的な答は、国庫負担分3.3万円は、ほぼ無条件に受給権を認めたうえで、これに払った保険料に応じた給付を上乗せしてやるというものである。具体的には、パートの場合、ほぼ全員を厚生年金に加入させるものの、低い保険料率を設定してやり、その代わりに、得られる年金も少ないものにすることになろう。 例えば、夫のいない女性の場合、現行の厚生年金の保険料率の1/4の約4%とすると、年収120万円なら負担は、月に4千円となる。これを労使で折半する。この程度なら、企業も