EPTやEPRは、それぞれエネルギー源の性能を表す指標の一種です。それぞれ、下記のような意味を持ちます。 エネルギーペイバックタイム(Energy Payback Time, EPT): ライフサイクル中に投入されるのと同じだけのエネルギーを、発電によって節約できるまでに必要な稼働期間を表します。これが短いほど優秀です。 エネルギー収支比(Energy Payback Ratio, EPR): ライフサイクル中に投入されるエネルギーに対する、発電によって節約できるエネルギーの倍率を表します。これが大きいほど優秀です。 大まかには、下記のように表されます。 Ein : ライフサイクル中に必要になるエネルギー eav : 単位期間中の発電量で節約できたエネルギー投入量 Eav : ライフサイクル中の発電量で節約できたエネルギー投入量 Tlifetime : 想定寿命(稼働期間) EPT = E
太陽光発電のEPT/EPRに関する質問事項をまとめています。 ・"価格から考えて、太陽光発電はエネルギー的に元が取れないのでは?" → 遺憾ながら、間違いです。このような質問は、「製品やサービスの市場価格が、使用されているエネルギー量と完全に比例する」という主張を前提にしていると思われます。しかし、そのような関係は限られた条件でしか成立せず(*1)、科学的に正しいとは言えません。 また太陽光発電のライフサイクルについては、実際に使われる材料やエネルギーや製造工程を科学的に調べた結果が、日本・米国・欧州などの各国で複数報告されており、また多くの専門家による検証も受けています。企業秘密のデータも調べ、複数の企業のデータを平均して発表する工夫もされています。そして、太陽光発電が確かにエネルギー源になることを示しています。 「太陽光発電はエネルギー的に元が取れない」という主張は、一般論として誤りだ
かつて太陽電池は非常に高価で、家一軒分で1億円以上もしました。このため人工衛星や灯台など、特殊な用途にしか使えませんでした。しかしエネルギー自給率の低い我が国は世界でも早い時期(*1)から太陽光発電に着目し、30年以上にわたって粘り強く開発と普及に力を注いできました。産官学と国民の幅広い努力・協力の末、一般家庭でも手が届く程度まで価格を引き下げることに成功し、世界一の市場シェアとトップクラスの技術力を誇って来ました。しかし近年はコストが実用水準に近づいてきたことやエネルギー・環境問題の悪化を受けて、強力な助成政策で技術開発と普及を加速させる国が増えています(図1)。世界シェアが半減するなど我が国の技術的優位性が脅かされ、また国内での普及・価格低減も足踏みしていました。 太陽光発電は現時点では一般的な発電方式よりもまだコストが高いのですが、大量生産を進め、計画的に普及を図ることで十分に安くで
太陽光発電のコストは、製造技術だけで決まるわけではありません。大量生産して生産単価を下げたり、流通コストを減らす必要もあります。 太陽光発電の発電コストのうち、約1/3が製造コスト、1/3が流通・工事費、残り1/3が利子とみられます(図1)。2007時点での発電コストは40円/kWh以上になっていて、普及のペースは主に各国の政策によって決まっています。市場価格は需給バランス・原料価格などに影響されながらも徐々に低減されていて、継続的に普及と技術開発を進めれば実用的なコストまで下げられると見込まれています。 このうち流通・工事費については、各国共に政策が主体となって、市場の拡大と流通コストの低減が図られています。価格の低下につれて発電コストが電力料金より安くなる国が増え、自律的に普及とコスト低減が進むようになると考えられます。 製造コストについては、技術の進歩や量産効果によって、累計生産量が
太陽光発電のコストは、現時点では一般的な火力発電のコストの数倍と言われます。しかし原油などと異なり、そのコストは普及と共に下がることが知られています。技術開発と普及の努力を計画的に進めることで、十分実用的なコストに下がると同時に、経済的にも大きな利益を生むと見込まれています。 太陽光発電設備は工業製品ですので、基本的にたくさん量産すればするほど、また技術が進むほど安くなります。 設備の製造コストは、これまで「普及量が2倍になるとだいたい2割安くなる」という経験則(*1)に従って推移しています(図1)。このままのペースでいくと、あと10年しないうちに電力料金より安い価格になりそうです(*2)。 一度電力料金より安くなれば、需要が増え、それがまた値段を下げる好循環に突入すると考えられます。また近年台頭してきた薄膜太陽電池では、現在主流の結晶シリコン太陽電池よりもさらに速いペースで価格が下がって
現在の太陽光発電の発電コストは比較的高いのですが、普及に従って安くなってきています。安くなるにつれて、エネルギー源としての重要性も増しています。
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