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ブックマーク / www.nikkei-science.com (3)

  • ハイゼンベルクの不確定性原理を破った! 小澤の不等式を実験実証

    「小澤の不等式」。数学者の小澤正直・名古屋大学教授が2003年に提唱した,ハイゼンベルクの不確定性原理を修正する式です。小澤教授は30年近くにわたって「ハイゼンベルクの不確定性原理を破る測定は可能」と主張し続けてきましたが,このたびついに,ウィーン工科大学の長谷川祐司准教授のグループによる実験で実証されました。15日(英国時間)付のNature Physics電子版に掲載されます。 小澤の式とはどんなものでしょうか? まず,物理の教科書をおさらいすると,1927年にハイゼンベルクが提唱した不確定性原理の式は,こんな形をしています。 εqηp ≧ h/4π  (hはプランク定数,最後の文字は円周率のパイ) εqは測定する物体の位置の誤差,ηpは位置を測定したことによって物体の運動量に生じる乱れです。もし位置が誤差ゼロで測定できたら運動量の乱れは無限大になり,測定してもめちゃくちゃな値がランダ

    ハイゼンベルクの不確定性原理を破った! 小澤の不等式を実験実証
  • 悪用される科学

    化学物質や医薬品が健康に及ぼす危険性を解明することは,科学におけるとりわけ複雑な課題だ。人間に毒性物質をべさせ,どのくらいの量でガンになるか調べるわけにはいかない。そのため動物実験をしたり,実際に何らかの危険物質にさらされてしまった人について調査したりする。 どちらの研究方法にも不確実性がつきもので,科学者は証拠から因果関係を推測して人間を危険から守る手段を示さなければならない。絶対に確実だといえることはきわめてまれなので,そこまで厳密な証拠が求められるようなら規制や計画など実施できないだろう。政府は入手できる最大限の証拠にもとづいて有害化学物質の制限値を設定し,医薬品の安全性を判断しなければならない。 不確実性は科学に内在する問題だが,それをでっちあげることは全く別の話だ。業界の利益を脅かすような問題が起きると,業界団体がその問題の研究を始める例がここ30年間で非常に増えている。 例え

    悪用される科学
  • 1本で脳が変わる ニコチン依存の新仮説-サイエンス、2008-7

    「喫煙開始から何年も経ないとタバコ依存にはならない」という長年の定説が覆った。未成年喫煙者に関する研究によって,吸い始めて数週間で離脱症状(タバコが欲しくてたまらないなどの禁断症状)が現れうることがわかった。 これらの発見を説明するため,新しい仮説が生まれた。脳が素早い順応を起こしてニコチンの効果に対抗するという見方だ。ニコチンの効果が薄れると,こうした順応が禁断症状を引き起こす。これが正しいと証明されれば,禁煙の助けとなる新薬や治療法を開発する有望な道筋が開ける可能性がある。 ニコチン依存が短期間で生じるのはなぜなのか。その理由を解明しようと苦闘しているうちに,私は1つのパラドックスに気づいた。ニコチンの明確な作用はニコチン自体を求める渇望を一時的に抑制することだけだが,ニコチンを渇望するのは以前にニコチンにさらされたことのある人だけだ。同じ1つの薬物が渇望とその抑制の両方をもたらすなど

    1本で脳が変わる ニコチン依存の新仮説-サイエンス、2008-7
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