2010年には尖閣諸島をめぐる問題などで、対立を深めた日本と中国。しかし、国のトップレベルで対立していても、その底流では変化が生まれつつある。その主役となっているのが、中国で“80後(1980年代生まれ)”や“90後(1990年代生まれ)”と呼ばれている若者たちだ。彼らは改革開放政策後の安定した成長経済のもとで育ち、一人っ子政策が本格化した後の世代。ネットも使いこなすなど、それまでの世代と感性が異なっているとされる。 そして、80後・90後の若者たちは、日本に対して持っている印象もそれまでの世代と異なっている。1月に出版された『オタ中国人の憂鬱 怒れる中国人を脱力させる日本の萌え力』(百元籠羊著)では、中国の若者がアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』『涼宮ハルヒの憂鬱』などにのめり込んだり、温家宝首相が「孫が『ウルトラマン』ばかり見ている」と嘆いたりしていることを紹介している。 そんな80後世