文科省の合田財務課長のご著書です。本書については、何度も読んで何度も考えたことがたくさんあるのですが、起承転結という感じで4つにまとめてみました。 1.著者について 平成20年・29年と二度の学習指導要領の改訂に携わられた合田課長は、新指導要領が実施されるこれからの十年間、教育政策のど真ん中に座ることになる方です。 ご本人を知る方は誰もがご存じのとおり、人格・識見ともに文句なしに、文科省のエース中のエースと呼べる方でしょう。私が入省した二十数年前には既に、係長ながら省内で一目置かれる存在でした。当時は寺脇研氏が「ミスター文部省」と呼ばれていましたが、合田課長はこれから「ザ・文科省」と呼ばれるにふさわさしいと、私は勝手に思っています。 2.内容について 本書は、その合田課長の、学習指導要領への「愛」が詰まった本です。 学習指導要領は、決して無表情の官僚が機械的に作っているのではなく、ベテラン