【6月10日 AFP】2023年のウクライナ。廃虚と化した街を背に、カラシニコフ銃を持つロシア兵。先頭でロシア国旗を掲げる女性の防弾ベストには、ロシア軍がウクライナ侵攻のシンボルとする「Z」の文字が見える。ロシア・モスクワ中心部で開幕した「われらはロシア人、神はわれらと共に」と題する絵画展の出品作の一つだ。 帝政ロシア時代や旧ソ連時代の伝統的なリアリズムを思わせる作風だが、絵柄はウクライナ侵攻での戦意高揚を狙っている。そばでは口ひげを生やした男性が、制服姿の士官学校の生徒たちに「われわれの最終的勝利を描いた絵の近くへ」と声を掛けている。 その傍らで写真撮影に応じていたのが、作者のワシリー・ネステレンコ(Vasily Nesterenko)氏(56)だ。1967年、当時ソ連の構成国だったウクライナに生まれた同氏は愛国的なロシア人画家として知られ、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Pu