「奇跡の瞬間を撮る写真家」として、『神』『天才』と称される男がいる。 「撮って」と依頼してもムシ。用意されたものはいっさい撮らない。好きなもの、日常の奇遇・偶然を撮りつづけ、ヤラセではないかと疑うものさえいるその写真を観ると、なるほどたしかに神懸かり的だ。 わたしも奇跡に出会いたい! 彼と過ごすと、奇跡にであえるのではないかと思い、一日密着取材を申し出た。 「撮ろうとして撮れるもんじゃないっすよ」 という写真家いくしゅんさん、取材当日はちょうど関西で『愛。ただ愛』の個展中だったのだが、強行に密着取材だ。