<移民に寛容な民主党支持の地域への強制移住案は、地方と中央が対立する米連邦制度の本質を突いているが> トランプ米大統領は4月12日、不法移民をいわゆる「聖域都市」に移送する考えをツイッターで表明した。自らの移民政策に非協力的な民主党にしびれを切らした格好だ。 「民主党が危険な移民法を変えたがらないから、不法移民を聖域都市だけに移住させることを真剣に検討している。過激な左派は開かれた国境を歓迎しているようだから、喜ぶはずだ!」 「聖域都市」は政府の公式な用語ではなく、法的な定義があるわけでもない。だが国の方針に従わない不法移民に寛容な地域(都市に限らず郡や州の場合もある)を指す言葉として、このところ頻繁に使われている。 この問題は、連邦政府と各地方当局が法の執行をめぐって対立関係にあるアメリカの連邦制の本質を突く。両者の関係については、オンラインメディアVOXのダラ・リンドの説明が最も分かり