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ブックマーク / geopoli.exblog.jp (12)

  • ルトワックの「シリアの内戦を長引かせろ」論 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は快晴です。九月だというのに暑いですね。 さて、この間翻訳を出したばかりのルトワックが、予想通りというか、アメリカの対シリア政策について興味深い議論を展開しておりましたのでご紹介。 この記事は完全に見逃していたものですが、Twitterで教えてもらいました。ありがたいことです。 === どちらが勝ってもアメリカはシリアで敗北する byエドワード・ルトワック ●先週の水曜日のニュースでは、シリアの首都ダマスカスの郊外で化学兵器が使われたことが報じられた。人権活動家によれば、これによって数百人の民間人が殺害されたということであり、エジプトの危機のほうが悪化しているにもかかわらず、シリアの内戦がアメリカ政府の関心を引きはじめた。 ●しかしオバマ政権はシリアの内戦に介入してはならない。なぜならこの内戦では、そのどちらの側が勝ったとしてもアメリカにとっては望ましくない結果を引き起こすこ

    ルトワックの「シリアの内戦を長引かせろ」論 | 地政学を英国で学んだ
  • シリアを空爆するがいい | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は少し気温が落ち着いてようやく秋に近づいた感じが。 昨日は熊まで一泊で出張してきました。加藤清正公が作った城が思ったよりも立派だったので驚きました。聞きしに勝るとはこのことですね。これを踏まえて山梨にはぜひ甲府の舞鶴城を復活させてほしいのですが。 さて、シリア情勢の緊張度が高まってきましたが、なかなか挑発的な意見記事がありましたので要約です。著者はノースウェスタン大学の若手のイアン・ハード准教授。 === たとえ違法でもシリアを空爆せよ By イアン・ハード ●最近のシリア内戦での虐殺では十万人以上が殺されており、アサド大統領のこれ以上の虐殺を止めるための何らかの緊急な対応が求められる。 ●ところがこのような状況の中で、国際的な軍事力の使用についての法的な基盤についての混乱が見られる。 ●まず法的な面からいえば、シリア政府の化学兵器の使用は、自動的にアメリカの武力介入を正当

    シリアを空爆するがいい | 地政学を英国で学んだ
  • 本と電子書籍の違い | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部はまたしてもよく晴れました。暑さは続いております。 さて、久しぶりに軽い読み物を。 といっても、相変わらず「テクノロジー」に関するものなんですが。 === は読んでとっておくもの Byヴァーリン・クリンケンボーグ ●私は一冊の(エド・マクベインのもの)を自分のiPadで読み終え、これををクラウドに預けたところだ。 ●これによって、このは私の「デバイス」から消え去ったわけであり、同時に私の意識からも消え去ってしまったわけだ。これは非常に奇妙な感覚だ。 ●現物の「」を読むときには、私はそのの文章やそのもの――その形やジャケット、その重さと印刷の体裁など――を覚えている。 ●ところが電子書籍を読んでしまうと、覚えているのは文章だけだ。 ●の「らしさ」というのは消滅してしまうし、むしろそれはそもそもはじめから存在しないものと言えるだろう。 ●アマゾンが私に教えてくれる

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  • 「バイトがネットにイタズラ画像」事件と戦略論 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は朝からけっこう晴れていたのですが、先ほどから雷が鳴って夕立中。 さて、最近頻発している、いわゆる「バイトの店員がネットにイタズラ画像を載っけて処分される」問題ですが、実はこれがアメリカの軍事戦略に関する議論で説明できることがわかったので少し述べてみます。 おそらく全国的な現象かと思いますが、最近バイトの子が、働いているコンビニのアイスクリーム用の冷凍庫に寝転んだところを写真にとってネットに掲載したり、ラーメン屋の冷蔵庫内でソーセージくわえている写真を公開して問題になったりと、実にくだらない事件が連鎖的に起こっております。 これについては色々な解説も出てきておりますので、私はあえて口をはさむつもりはなかったのですが、たまたま読み返していた90年代の戦略論の議論の中で、すでにこれと色濃く関連している話で説明できると思ったので、あえてここでご紹介したいと思ったわけです まず重要な

    「バイトがネットにイタズラ画像」事件と戦略論 | 地政学を英国で学んだ
  • なぜアメリカは日本と組まなければならないのか | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は相変わらずの暖房入りでしたが、午後から近くで雷雨があったようで、少しだけ涼しくなりました。 さて、リクエストがありましたので、それにお答えする形で一つ。 私が翻訳したスパイクマンの「平和の地政学」の解説の部分に、1941年の真珠湾攻撃のたった三週間後(12月31日)にスパイクマンが「アメリカは戦後になったら日と組まなければらない」と地理学会の年次総会で発言して大問題になったことを書きましたが、これについて「その根拠は何なのですか?」という質問をいただきました。 実はスパイクマンはこの理由を、『平和の地政学』の数年前(1942年)に発表した主著、『世界政治におけるアメリカの戦略』(America's Strategy in the World Politics)というの中で具体的に書いております。 もちろんこのはあまりにも分厚い(原著で450頁以上ある)ために、今後もお

    なぜアメリカは日本と組まなければならないのか | 地政学を英国で学んだ
  • なぜ日本は韓国に「感謝」されないのか | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は雨かと思ったら意外に晴れまして、けっこう蒸し暑い感じでした。 さて、ルトワックのゲラ直しも終盤にかかってきまして、最後の追い込み状態に入ってきているのですが、前回のエントリーでも引用した彼の韓国分析について、もう一箇所面白いところを抜き書きしておきます。 === ●教育を受けた若い韓国人たちの反米感情について述べてみよう。彼らは単なる事故が起こっただけでも容易に怒りを爆発させてしまう。そして直ちに自国の政治指導者たちを「米国の言いなりだ」と言って問い詰めるのだ。 ●なぜこうなってしまうのかについてはわざわざ説明する必要はないだろう。それは人間の感情として、最も根的なものに根ざしたものだからだ。 ●つまり、見返りを求めない施しというのは、受け取り側の屈辱感へと容易に変化するからだ ●これについて興味深い例は、アルメニアの例だ。この国の大統領ヌバル・パシャ(Nubar Pa

    なぜ日本は韓国に「感謝」されないのか | 地政学を英国で学んだ
  • 韓国はなぜ戦略を失敗するのか | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は昼前から晴れてきまして、午後はスッキリ快晴に。日差しは真夏ですね。 さて、この記事を書いている現時点で、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が中国を訪問中です。この話題について少し。 韓国の歴代大統領は、就任してからまず同盟国であるアメリカや日に先に訪問するのが建国以来の「恒例」になっていたわけですが、朴大統領はアメリカの後に、今回初めて中国を訪問しております。 (FNNより) ※参考記事※ http://sankei.jp.msn.com/world/news/130627/kor13062707300000-n1.htm このような動きというのは、普段、国際政治を分析する者にとっては、少々不可解な動きに見えます。 というのも、普通の地政学の考え方からすれば、韓国は今まで通りに、アメリカと日との安全保障的な結びつきを強め、北朝鮮を牽制しながら、中国を警戒するような動きを見

    韓国はなぜ戦略を失敗するのか | 地政学を英国で学んだ
  • 本当に「成功」したい奴はいない | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は梅雨空の一日でした。傘を持たずに出たらちょっと失敗。濡れました。 さて、昨日と少し関連する話題について。 長年「戦略とは何か」ということを人よりは少しだけ考えてきた自分なんですが、戦略論の文献などを読んでいても、とてもむなしくなる瞬間があります。 それは、「これを読んでいる人たちって、そもそも気で成功したいと思っているのだろうか?」という根的な点。 戦略の分野で有名な、たとえばクラウゼヴィッツの『戦争論』や孫子(孫武)の『兵法』などは、その読者の対象は、どちらかといえば「殺されないように必死で生き残りをはかりたい!」という人たちばかり。 ところが、それを読んでいる、私を含む現代のわれわれのの中で、当にこれらが書かれた当時の「必死さ」で戦略を学ぼうとしている人っているのかといえば、ここはかなり疑問なわけです。 これは「読み手の問題」ということも言えそうなのですが、この

    本当に「成功」したい奴はいない | 地政学を英国で学んだ
  • 傭兵の倫理問題 | 地政学を英国で学んだ

    今日のイギリス南部は、昼までは晴れていたのですが、午後から段々と天候が悪くなってきて、夜になって雨でした。しかも風があって凍えるほど寒い。 さて、同じコースの後輩に今日聞いた話をひとつ。 この後輩は若いドイツ人で、彼の専門は「傭兵の倫理」という渋いもの。 彼は私がコースを修了する半年くらいから始めて、今年の九月に論文を提出するとのこと。その内容を学校の中にあるパブでラガー(フォスターズ)を飲みながら披露してくれました。 時間がないので、例のごとく箇条書きで。 ●「傭兵」(マーセナリーズ) は、一般的には古代からあると言われているが、実は現代の民間軍事会社(PMC)と昔のそれは全然違う。 ●昔は、現在のような「傭兵」という概念はなかった。 ●「傭兵」の歴史に関する現在の学術界の研究は、しっかとした歴史研究をしていない。とくに中世のラテン語の文献まで調べて書いているものは皆無。 ●現代の「傭兵

    傭兵の倫理問題 | 地政学を英国で学んだ
    uduki_45
    uduki_45 2013/03/25
    戦国時代の僧兵とかを考えると、大名からの要望での派兵が大体だし、傭兵じゃないとすると派遣社員に近いのかな
  • 低所得層の子供たちはゲームやり過ぎ? | 地政学を英国で学んだ

    今朝の横浜北部は晴れておりますが、かなり気温が低めです。 さて、ちょっと古いですが、テクノロジーに関する記事の要約です。 簡単にいえば、貧乏な家庭の子のほうがゲームやネットにハマりすぎる傾向があるということですが、結局のところは家庭における子供の「コントロール」の問題にすべてが集中してくると言えそうな。 === デジタル時代のアメリカの「無駄時間の差」 by マット・リクテル ●「デジタル・デバイド」といえば、1990年代に流行した「テクノロジーを持つ者」と「持たざる者」を表した概念だ。 ●このおかげでアメリカでは「すべての階層の人々に最新コンピューターを!」という運動が進められることになり、とくに低所得層の家族には格別の配慮がなされた。 ●この運動は実際に効果あったのだが、それには意図せぬ副作用があり、これは政治問題にまで発展している。 ●みんなが最新テクノロジーを手に入れはじめると、驚

    低所得層の子供たちはゲームやり過ぎ? | 地政学を英国で学んだ
  • 政治家は「偉い」もんだ | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は朝から雨で、かなり気温も低め。個人的にはモスクワの10月半ばくらいの気候という感じでしょうか。 さて、今回の選挙について一言感想を。 今回私が書くことは、おそらくこれをお読みの皆さんにはご理解いただけないかもしれず、もしかしたら非常に誤解を受けるだろうなぁということを承知で、あえて書いてみます。 すでにtwitterのほうでご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、私は昨日数カ所(しかも党の違う)の選挙事務所を覗いてきまして、その場にまるで支援者であるかのような顔をして紛れ込み(笑)、一種の社会見学をしてまいりました。 実は私は三年前の総選挙の時にも同じことをやっていまして、その時に味をしめたために、今回はこのようなことを行うのが二回目です。 そして今回、選挙事務所というものを覗いてみてあらためて感じたのは、「政治家は偉い」ということ。しかも私は「どの政治家も」という但し書き

    政治家は「偉い」もんだ | 地政学を英国で学んだ
  • 尖閣/デモ問題についての「解釈」の違い | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は晴れているんですが雲が多めで不安定そうな雰囲気が。 さて、尖閣問題に端を発する中国におけるデモや日の人や資産にたいする破壊・テロ行為が行われておりますが、これをちょっと冷静な目で簡単に分析してみようかと。 まずこの分析を行う前に参考になるのが、「冷戦」の原因についての、英語圏の分析の解釈の違いです。 「なぜ日中間の紛争に冷戦の分析なんだ!」と“違和感”を感じる人もいるかもしれないのでまずお断りしておかなければならないのですが、「冷戦」(the Cold War)というのは、その当時の世界中の知識人を巻き込んで悩ませた大問題であり、その原因(誰がその紛争を始めたのか)については、当然ですが現在でも歴史家の間ではひとつの大きな学問分野として確立されているほど。 そして当時の世界の政治学者たちは、自分たちの頭脳を最大限発揮して考えた末に、かなり単純ではありますが、冷戦の原因につ

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