ロンドン(CNN) グリーンランドの北極圏にある氷河に、突如現れた数十個の黄色い小物体。よく見れば、入浴時のおもちゃとしておなじみのゴム製のアヒルだ。米航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所が、気候変動にかかわる実験のために投下した。 グリーンランド西部海岸に位置するイルリサット氷河は、同島最大級の規模。近年、海へ流れ込む氷の動きが加速し、地球温暖化の影響が指摘されている。流れは夏の間特に速度を増すが、その仕組みは解明されていない。 有力なのは、太陽の熱で表面の氷がとけて「ムーラン」と呼ばれる管状の穴に流れ込み、その水が氷河の底面まで達して、潤滑油のような役割を果たす――という説。NASAはこれを検証するため、ゴム製アヒル90個をムーランに投げ込んで、その後の動きを調べることにした。 アヒルには、3カ国語で「科学実験」「謝礼あり」と書かれ、メールアドレスが記載されている。発見者から連絡