そこそこにいい映画とか。それなりにいい映画とか。お値段通りの映画とか、まあ、悪くないよね的な映画はいろいろ見る。けど、心から、こりゃいい映画だったというのは、それほどはない。そういうもの、なのかもしれない。で、このイタリア映画『神様の思し召し』は、ほんと心の底からいい映画でした。ヒューマンものにありがちな、べったり感もないし、感動をしいるわけでもなかった。個人的には、自分が、神と考えている何かに触れることで奇妙な感動があった。でもそれはたぶん、個人的なことで、この映画のよさは、さまざまな形で誰にでも伝わるんじゃないか。 少しネタバレが入るが許容のうちじゃないかと思う。話は、50代半ばくらいの年齢だろうか、有能で社会的な地位も所得もある心臓外科医が、医大大学生の息子から突然、神父になりたいと言われる。無神論者だが民主主義的な人間を自分に任じている父としては、頭ごなしに否定できないものの、息子