怒りを歌え、女神よ、ペーレウスの子アキレウスの (呉茂一訳『イーリアス』第一書) ヨーロッパ文学の歴史は激おこぷんぷん丸から始まるというのは、よく言われる話です。いえ「激おこぷんぷん丸から始まる」と言っているのは私だけかもしれませんが、とにかく怒りから始まるというのはしばしば指摘されます。 トロイア戦争を描いた古代ギリシアの叙事詩『イリアス』は紀元前8世紀頃に成立したと考えられており、英雄アキレウスの怒りを歌うべく、語り手が芸術の女神ムーサから霊感を賜ろうと祈るところから始まります。『ギルガメシュ叙事詩』などさらに古い文学作品もありますが、とにかく『イリアス』がヨーロッパ文学の祖のひとつであることは間違いありません。 無神論者の私は女神に頼れませんが、今回は私の怒りを書こうと思います。アキレウスが怒っていたのは、戦利品として獲得した愛人ブリセイスをギリシア軍の大将アガメムノンが奪おうとした
武器を捨てた彼女がその手に抱いたのは、わが子だった。2016年、それまで50年以上続いていたコロンビアの内戦に終止符が打たれた。政府との間に和平合意を結んだ左翼ゲリラFARCは、ジャングルを出て村に移り住んだ。女性兵士の割合が4割だった彼らの間では今、ベビーブームが起きているという。母となった今、元ゲリラの女性はどう平和をかみしめているのか。今年4月、元ゲリラの村を取材した。(文・写真=伊藤詩織/Yahoo!ニュース 特集編集部)
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