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2009年8月23日のブックマーク (3件)

  • [書評]自由はどこまで可能か―リバタリアニズム入門(森村進): 極東ブログ

    副題に「リバタリアニズム入門」とあるが書「自由はどこまで可能か(森村進)」(参照)は、学術レベルに対する入門という意味合いで、内容はかなり濃く、いわゆる新書にありがちな入門書ではない。 後半になると著者森村氏の見解がやや突出する違和感があるが、総じて現代のリバタリアニズムを俯瞰して理解するには最善の書籍と言える。その分、簡単には読めない。不必要に難解な書き方も悪しき学術的な書き方もされてなく読みやすい文体なのだが、一見簡素な思想に見えるリバタリアニズムが投げかける質的な課題を考えつつ読むことが難しい。 何度も繰り返し読むに耐える書籍でもある。出版は2001年と古く、やや現代の古典といった風格もあり、この間のリバタリアニズム思想の展開も気になるところだが、とにかく書を出発点にしないことには話にもならないだろう。 リバタリアンとは何か。書は、類似または対比される思想的立場との違いを次の

  • フィナンシャルタイムズ紙の民主党政権観: 極東ブログ

    海外では日の衆院選をどう見ているだろうか。それほど広く見回したわけではないが、ワシントンポスト紙やニューヨークタイムズ紙の社説ではまとまった意見を見ないように思うなか、フィナンシャルタイムズ紙社説は昨日発表の日の国内総生産(GDP)に関連付けて、少し意外な言及をしていた。 フィナンシャルタイムズ紙社説は日政治経済に言及することが多く、春頃から「総選挙すべきだ」「低所得者のポケットに現金をつっこめ」など、どちらかといえば民主党のような発言があった。しかし今回の社説「Japan’s recovery: not all it seems(日の回復:期待とは違う)」(参照)では、民主党政権への期待と取れないこともないが、やや不吉な印象を与える予言のようだった。 The DPJ is partly doing what opposition parties are supposed to

  • リオ・ティント社事件、雑感: 極東ブログ

    ブログは生成されつつある歴史の同時代人証言でもあり、この間書こうと思って書き落としていたこといえばリオ・ティント社事件だった。私はこの分野に詳しいわけでもないが、いずれ日が向き合う大きな問題の象徴でもあるように思えるし、率直に言って昨今の衆院選騒ぎを見ているとそれは手ひどく向き合うことになるようにも思えるので、雑感を記しておきたい。 当面の問題は先月の5日に遡る。世界第二位の鉄鋼石会社でもある、英豪系の資源大手リオ・ティント社の上海事務所従業員4人 --- 価格交渉に当たる豪州籍スタン・フー(Stern Hu)氏ほか部下の中国籍の3人 --- を中国公安当局がスパイ容疑で拘束した。当局側での容疑は、国家機密に相当する鉄鉱石の価格交渉の機密情報を盗むことで中国に経済的な損害を与えたことと、中国鉄鋼関係者に賄賂を渡した汚職というものだ。当局はフー氏が交渉相手だった中国鉄鋼メーカーから数名の身