いざとなれば自らの生命を危険に晒して、日本の防衛に当たる自衛隊員たち。しかし、我が国の防人たち23万人の日常を我々はあまりに知らないのではないか。組織内における出世やカネ、家庭生活における悩み。そしてそれらを乗り越えていくモチベーション……。国防を考える時、まず現実の自衛隊を直視したい。 ************************ 自衛官と言えば、衣食住の面倒見がいいとよく聞く。ところが、『学校で教えない日本陸軍と自衛隊』など自衛隊関連の著書を多く持ち、愛娘も防衛大卒の幹部自衛官という荒木肇氏は、最近は少し事情が異なると言う。 「予算の削減で、戦闘服も2年間で3着支給だったものが、2着に減らされたようです。当然、それでは足りませんから、自費で購入しますが、迷彩服なら上下で4万円。しかも階級章や、演習で顔に塗るペイント代は自腹なんです」 とはいえ、制服は夏服、冬服だけでなく、ワ