【カイロ=大内清】フランス通信(AFP)によると、リビアの反カダフィ派代表組織「国民評議会」のジブリル暫定首相は29日、首都トリポリで記者会見し、評議会が近く発足を目指している暫定政権に「参加しない」と述べた。背景には反カダフィ派内での路線対立や権力闘争があるとみられる。 経済専門家であるジブリル氏は、カダフィ政権で要職を務めた経歴がありながら、内戦中は寄り合い所帯の評議会をまとめ上げた手腕が高く評価された。リビアに軍事介入した欧米諸国との関係も良好で、暫定政権では引き続き首相職に就くと目されてきた。 しかし8月下旬のカダフィ政権崩壊後、よりイスラム色の濃い国を目指すべきだとする勢力から、「世俗的すぎる」との批判が強まり、最近ではリビア社会に大きな影響力を持つイスラム指導者アリ・サラビ氏が公然と辞任を要求。評議会内では、イスラム勢力によるジブリル氏暗殺を懸念する声まで上がっていた。 暫定政