規制緩和による新たな市場の創造。その一つとして脚光を浴びているのが「特定複合観光施設」にカジノを認めるIR推進法案である。言うまでもなく刑法で禁じられた賭博(ギャンブル)の合法化で生まれる「巨大」市場である。 IRは、カジノと共に会議場、レクリエーション、展示、宿泊などの施設を、民間事業者が設置及び運営するが、その中核はカジノ収益である。米投資銀行CLSAは、2月に日本全国12か所のカジノ開業で年間400億ドルの収益を生み出す巨大市場になると発表し、スロットマシンなどの機器やホテル・会議場建設などの投資をはじめ、雇用や税収の増加などで「地域経済の振興に寄与する」とされている。 しかし、カジノが地域振興の「魔法の杖」ではなかった現実が、いま米国で顕在化している。ラスベガスと並んでカジノによる繁栄の象徴とされてきたアトランティック・シティで、1月の「アトランティック・クラブ」閉鎖を皮切りに、3
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