タグ

ブックマーク / synodos.jp (90)

  • 性犯罪の重罰化を含む刑法改正案のポイントとは/刑事政策・犯罪学・被害者学、柴田守氏インタビュー - SYNODOS

    性犯罪の重罰化などをふくむ刑法の改正案が、6月2日衆議院会議で審議入りした。国会では、先日の記者会見で性被害を受けたフリージャーナリストの女性が素顔を明かし、加害者の不起訴処分に不服申し立てをした問題も取り上げられた。この改正案が成立すれば、明治40年の刑法制定以来はじめて性犯罪の規定が格的に見直されることとなる。今回の改正案で性犯罪の処罰はどう変わるのか。注目すべきポイントと課題について伺った。(取材/大谷佳名) ――今回の刑法改正案に盛り込まれた重要なポイントを教えてください。 今回の刑法改正案(改正案)は、明治40年以来の性刑法を抜的に改正するものであり、細かく説明しますと多岐にわたるのですが[表1参照]、ここでは、ジェンダーニュートラル化(性の中立化)、重罰化、非親告罪化という3つの視点からその特徴を解説したいと思います。 第1の特徴は、ジェンダーニュートラル化(性の中立化

    性犯罪の重罰化を含む刑法改正案のポイントとは/刑事政策・犯罪学・被害者学、柴田守氏インタビュー - SYNODOS
  • 誰のため、何のための「改正」? 精神保健福祉法改正の構造的問題/竹端寛 - SYNODOS

    誰のため、何のための「改正」? 精神保健福祉法改正の構造的問題 竹端寛 障害者福祉政策 / 福祉社会学 福祉 #精神保健福祉法#社会福祉 来の趣旨に添うならば 一般的に、法律は現実の後追いである。法律で対応できない・法律が想起していなかった、現に起こっている新しい問題に対応するためには、法律の改正が時として必要になる。ただ、それが「誰のため」「何のため」か、で改正される内容が大きく異なってくる。2017年の通常国会で審議されている「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」(以下、「精神保健福祉法」という。)の改正も、この根の部分で構造的な課題を抱えている。 まず、精神保健福祉法とは、何のための法律なのだろうか。法第一条には、次のように書かれている。 「この法律は、精神障害者の医療及び保護を行い、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 (平成十七年法律第百二十三号)と相

    誰のため、何のための「改正」? 精神保健福祉法改正の構造的問題/竹端寛 - SYNODOS
  • 「同性カップル、里親に」報道から考える今後の課題/一般社団法人レインボーフォスターケア代表理事 藤めぐみ - SYNODOS

    「同性カップル、里親に」報道から考える今後の課題 一般社団法人レインボーフォスターケア代表理事 藤めぐみ 社会 #里親#同性カップル#養子縁組 2017年4月5日から6日にかけて、大阪市が男性カップルを養育里親に認定したことに関して、多くの報道がありました。また、翌7日には塩崎恭久厚生労働大臣が記者会見において、同性カップルの里親を容認する発言をしました。 それらの報道を受けて、ネット上でさまざまな意見が交わされています。 いくつかの意見に見られる誤解、そしてこの報道から新たに見えてきた課題について述べたいと思います。 「男性カップル 里親に」のニュースは各紙が大きく報じた ネット上に、「先進国では同性婚の権利が先で、養子縁組の権利が後に認められたのに、日は逆の動きになった。すごいことだ」というような意見が見られます。 しかし、それは間違いです。今回の報道は「養子縁組制度」ではなく、「里

    「同性カップル、里親に」報道から考える今後の課題/一般社団法人レインボーフォスターケア代表理事 藤めぐみ - SYNODOS
  • 過酷な労働を強いられる外国人留学生たち――移民政策を問う前に向き合わなければならないこと/ジャーナリスト・出井康博氏インタビュー - SYNODOS

    過酷な労働を強いられる外国人留学生たち――移民政策を問う前に向き合わなければならないこと ジャーナリスト・出井康博氏インタビュー 社会 #「新しいリベラル」を構想するために 現在、日で働く外国人労働者は108万人以上にものぼる。いまや、私たちの便利な生活は彼らなしでは成り立たない。特に、近年ではベトナムやネパールからの“出稼ぎ目的の留学生”が急増しているという。彼らの多くは「月20万−30万円は簡単に稼げる」という嘘の宣伝によって日に留学し、学費等の返済のため過酷な労働を余儀なくされている。そんな外国人労働者の現場を10年にわたって取材されてきた、ジャーナリストの出井康博氏にお話を伺った。(取材/大谷佳名) ――現在、出井さんのご著書『ルポ ニッポン絶望工場』(講談社+α新書)が、大宅壮一ノンフィクション大賞にノミネートされていますね。このにまとめられている、外国人労働者の実態につい

    過酷な労働を強いられる外国人留学生たち――移民政策を問う前に向き合わなければならないこと/ジャーナリスト・出井康博氏インタビュー - SYNODOS
  • 「韓国ムカつく」「訳わからん」と投げ出す前に――『戦後日韓関係史』の使い方/浅羽祐樹×白鳥潤一郎×佐々木真 - SYNODOS

    この鼎談を収録した翌日(2017年3月10日)、韓国の憲法裁判所が朴槿恵大統領を罷免するという決定を下した。それにより5月9日に大統領選挙がおこなわれることになったが、韓国政治の今後を見通すことは容易ではない。 先のみえない韓国政治に対して、日政府も対応に苦慮しているのか、ソウルの大使館に続いて釜山の総領事館の前にも慰安婦少女像が設置されたことに抗議して、駐韓大使らを一時帰国させたが、特に進展がないなかでおよそ3カ月ぶりに帰任させたところである。 この慰安婦問題ひとつをとっても、どれだけの人が現状や論点をきちんと理解しているだろうか。膠着状態に陥っているいまこそ、これまでの経緯を振り返ってみる必要があるのではないだろうか。 この2月に刊行された『戦後日韓関係史』は、そうしたときにまず参照してほしい一冊である。書は、日韓国との関係を、政治だけでなく、経済や社会の動きにも触れながら、そ

    「韓国ムカつく」「訳わからん」と投げ出す前に――『戦後日韓関係史』の使い方/浅羽祐樹×白鳥潤一郎×佐々木真 - SYNODOS
  • フェイクニュースに騙されないための《社会調査》のすすめ/岸政彦×筒井淳也×荻上チキ - SYNODOS

    ネットを中心に流言やデマが蔓延し、「フェイクニュース」「ポストトゥルース」といった言葉が飛び交う今、私たちはいかに情報の真偽を見極めるべきなのか。調査によってデータの裏取りを行う研究者の方々に、「社会調査の入門編」と題してレクチャーしていただいた。(構成/大谷佳名) ■ 荻上チキ・Session22とは TBSラジオほか各局で平日22時〜生放送の番組。様々な形でのリスナーの皆さんとコラボレーションしながら、ポジティブな提案につなげる「ポジ出し」の精神を大事に、テーマやニュースに合わせて「探究モード」、「バトルモード」、「わいわいモード」などなど柔軟に形式を変化させながら、番組を作って行きます。あなたもぜひこのセッションに参加してください。番組ホームページはこちら →https://www.tbsradio.jp/ss954/ 荻上 日は2人のゲストをお招きしております。まずは家族社会学と

    フェイクニュースに騙されないための《社会調査》のすすめ/岸政彦×筒井淳也×荻上チキ - SYNODOS
  • 物理学者・早野龍五が福島で示した光――研究者として福島に向き合うということ / 服部美咲 / フリーライター | SYNODOS -シノドス-

    2017.03.10 Fri 物理学者・早野龍五が福島で示した光――研究者として福島に向き合うということ 服部美咲 / フリーライター 東日大震災に伴う東京電力福島第一原発事故の後、様々な情報や意見が錯綜し、多くの人々が信頼できる情報を求めた。その中で、15万人以上の人々が信頼をおいたのは、Twitterアカウント「@hayano」が淡々と発信する確かな根拠を付したデータとそれに基づいたグラフだった。 そして情報発信の合間に挟みこまれる、事故前と変わらない穏やかな日常を描写する「つぶやき」を読んで、自分自身の落ち着きを取り戻す人も多かった。Twitter上での情報発信にとどまらず、現場に赴いて日々活動を続ける「@hayano」こと早野龍五さんの周囲には、様々な形で賛同する人々が集まった。 今年3月、長年勤めた東京大学を退官する早野さんの最終講義を前に、事故後6年にわたる早野さんの功績とそ

    物理学者・早野龍五が福島で示した光――研究者として福島に向き合うということ / 服部美咲 / フリーライター | SYNODOS -シノドス-
  • トランプ政権は貧困層や障害者に致命的な打撃を加えるのか?――日本人の知らないアメリカの「共助」を探る/三輪佳子氏インタビュー - SYNODOS

    トランプ政権は貧困層や障害者に致命的な打撃を加えるのか?――日人の知らないアメリカの「共助」を探る 三輪佳子氏インタビュー 社会 #トランプ トランプ政権下で低所得層と障害者の暮らしはどうなるか? 今後2年間かけて、変化のなかで米国の「コミュニティ」の姿を理解し、明らかにしたいという三輪佳子(みわよしこ)氏(https://camp-fire.jp/projects/view/22114)。なぜ米国なのか。そして、そこに込められている日社会にとっての意味とは何なのか。話を伺った。 ――なぜ米国の低所得層と障害者の暮らしを調査しようと考えたのでしょうか? 私は今、ライターの「みわよしこ」として生活保護制度に関する執筆活動を行うのに加え、大学院で生活保護制度の研究をしています。 生活保護制度の原型は、戦前の救護法でほとんど出来上がっているのですが、包括的な社会保障かつ社会福祉でもある生活保

    トランプ政権は貧困層や障害者に致命的な打撃を加えるのか?――日本人の知らないアメリカの「共助」を探る/三輪佳子氏インタビュー - SYNODOS
  • 精神障害者雇用の現状と課題/「アビリティスタッフィング」染野弓美子氏、野口真理子氏インタビュー - SYNODOS

    2016年12月、厚生労働省が障害者雇用状況を発表した。民間企業で働く障害者(身体障害者、知的障害者、精神障害者)は前年比4.7%増の47万4374人、全従業員に占める障害者の割合を示す雇用率も0.04ポイント上昇の1.92%と、いずれも過去最高を記録した。障害者雇用促進法で義務づけられている民間企業の法定雇用率(2.0%)を達成した企業も4万3569社。達成率は48.8%と半数以下ながら、前年から1.6ポイント上昇している。 なかでも精神障害者の雇用者数の伸びが目立ち、4万2028人で前年比21.3%増となった。2018年には精神障害者の雇用が義務化されるなかで、こうした傾向はますます強まるとみられている。そこで、精神障害者の就労支援を行う「アビリティスタッフィング」事業責任者の染野弓美子氏、精神保健福祉士として精神障害者のサポートを担当する野口真理子氏に、精神障害者雇用の現状と課題につ

    精神障害者雇用の現状と課題/「アビリティスタッフィング」染野弓美子氏、野口真理子氏インタビュー - SYNODOS
  • 脱成長派は優し気な仮面を被ったトランピアンである――上野千鶴子氏の「移民論」と日本特殊性論の左派的転用/北田暁大 - SYNODOS

    脱成長派は優し気な仮面を被ったトランピアンである――上野千鶴子氏の「移民論」と日特殊性論の左派的転用 北田暁大 社会学、メディア史 政治 #新自由主義#脱成長#移民論 以下では上野千鶴子氏の「移民悲観論」について相当に厳しい調子で批判を展開する。読者のなかには、「それほど強く批判する必要はない」「上野氏の業績を否定するのか」といった印象を持つ方が一定数いらっしゃると思う。たしかに、我ながらいささか感情的に書き殴っているという自覚は持っている。 私自身は、上野氏に学問的にも人間的にも大きな恩義を感じているし、日フェミニズムを切り開いた上野氏の業績に畏敬の念を抱いている。しかしここ数年、しばしば見かける上野氏の、おそらくは無自覚の「新自由主義」的な議論に危うさを感じ、学恩を受けた一人として、その議論の問題について対談やSNSなどさまざまな場で、同時代の社会学者として疑問を投げかけてきた。

    脱成長派は優し気な仮面を被ったトランピアンである――上野千鶴子氏の「移民論」と日本特殊性論の左派的転用/北田暁大 - SYNODOS
  • 「終身刑化」が進む無期懲役刑の実態/浜井浩一×巡田忠彦×荻上チキ - SYNODOS

    法務省は昨年11月、無期懲役刑に関するデータを公表した(法務省「無期刑の執行状況及び無期刑受刑者に係る仮釈放の運用状況について」)。それによると服役中の無期刑者は2015年末時点で1835人。仮釈放が認められた受刑者は一桁にとどまり、服役期間が50年を超える受刑者も12人におよぶことがわかった。服役期間の長期化、所内での死者、数少ない仮釈放と、事実上の終身刑化が進む無期懲役。無期刑制度、受刑者の実態と、考えるべき課題について専門家に伺った。2016年12月10日放送TBSラジオ荻上チキ Session-22「塀の中でも老老介護〜終身刑化する無期懲役刑の現実」より抄録。(構成/増田穂) ■ 荻上チキ Session-22とは TBSラジオほか各局で平日22時〜生放送の番組。様々な形でのリスナーの皆さんとコラボレーションしながら、ポジティブな提案につなげる「ポジ出し」の精神を大事に、テーマやニ

    「終身刑化」が進む無期懲役刑の実態/浜井浩一×巡田忠彦×荻上チキ - SYNODOS
  • 商業性の中で芸術を追求する――『戦後ドイツの映画ポスター』展 /東京国立近代美術館フィルムセンター研究員・岡田秀則氏、大澤浄氏インタビュー - SYNODOS

    商業性の中で芸術を追求する――『戦後ドイツ映画ポスター』展 東京国立近代美術館フィルムセンター研究員・岡田秀則氏、大澤浄氏インタビュー 文化 #戦後ドイツ映画ポスター#東京国立近代美術館フィルムセンター 「戦後ドイツ映画ポスター」展が1月29日(日)まで東京国立近代美術館フィルムセンターにて開催中だ。戦後東西に分かれ、別々の道を歩んだ2つのドイツ。それぞれの社会的背景のもとで、映画産業も独自の芸術性が花開いた。それに呼応するように、映画と観客をつなぐ宣伝媒体、ポスターも単なる商業的広告の域を越え芸術性を強めていった。商業的でありながら芸術的な映画ポスターの世界。フィルムセンター研究員、岡田秀則氏と大澤浄氏にその魅力を伺った。(取材・構成/増田穂) ――今まで「ドイツ映画」に関するイベントは見たことがあったのですが、東西で、しかも映画自体ではなくポスターを比較するような展示は見たことが

    商業性の中で芸術を追求する――『戦後ドイツの映画ポスター』展 /東京国立近代美術館フィルムセンター研究員・岡田秀則氏、大澤浄氏インタビュー - SYNODOS
  • これからの「共生」のために――外国人労働者をいかに受け入れるか/市川正司×出井康博×結城康博×荻上チキ - SYNODOS

    2016年11月18日、参院会議で外国人労働者をめぐる2つの法案が成立した。ひとつは違法な長時間労働に罰則を設けるなど外国人の技能実習の適正化法案で、もうひとつは外国人の在留資格に介護を加える改正入管法。しかし、開発途上国の人材育成に協力する目的でできた外国人技能実習制度が、実際は安価な労働力として使われるなど、外国人労働者の受け入れをめぐっては様々な問題点が指摘されている。外国人労働者をめぐる課題について、弁護士の市川正司氏、著書『ルポ ニッポン絶望工場』(講談社+α新書)があるジャーナリストの出井康博氏、介護問題について詳しい淑徳大学教授の結城康博氏を交え、改めて考える。2016年11月21日(月)放送TBSラジオ荻上チキ・Session22「外国人労働者、受け入れは進むのか?」より抄録。(構成/若林良) ■ 荻上チキ・Session22とは TBSラジオほか各局で平日22時〜生放送

    これからの「共生」のために――外国人労働者をいかに受け入れるか/市川正司×出井康博×結城康博×荻上チキ - SYNODOS
  • 過労うつ自殺を生む社会は変わるのか――2つの電通過労自殺事件を『自殺の歴史社会学』から考える/元森絵里子 - SYNODOS

    2015年クリスマス、大手広告会社・電通の新入社員だった24歳女性が「過労自殺」した。16年10月7日に遺族が記者会見をおこなったことで、メディアも取り上げ、インターネット上で当人のツイートなどが注目されて、一気に社会現象になった。その過程で、多くの人に忘れられていた元祖・電通過労自殺事件の記憶が呼び起こされた。 1991年8月27日、電通入社2年目の24歳の青年が自ら命を絶った。長時間労働に加え、で酒を飲まされるといった「いじめ」(いまの言葉なら「パワハラ」)もあったという。 青年の死の原因が企業側の常軌を逸した働かせ方だと確信した両親は、雇用者の安全配慮義務違反として、企業を相手どった2億2,200万円の損害賠償請求に踏み切る。当初「自殺過労死裁判」と呼ばれていたこの裁判で、一審(東京地裁1996年3月28日判決)は、上司が労働時間軽減の措置をとらなかったことに過失を認めて1億2,6

    過労うつ自殺を生む社会は変わるのか――2つの電通過労自殺事件を『自殺の歴史社会学』から考える/元森絵里子 - SYNODOS
  • “サイレントマジョリティ”の市区町村行政への意見反映/南博 - SYNODOS

    市区町村は、市民に最も身近な総合的な行政主体として「基礎自治体」と呼ばれます。私たちの日々の生活や経済活動は、市町村の政策や事業なしでは成立しません。(※稿での「区」は、東京23区のことを指します。政令指定都市の行政区は含みません。) 一方で、皆さんはお住まいの市区町村の政策形成や事業計画・事業見直し等に関し、政治家(市区町村長、市区町村議会議員)や行政職員に届く形で意見提示をされたことはあるでしょうか。「ある」人も多いと思いますが、「ない」人も少なくないでしょう。また、「ある」人においても、回数は限られ、また出した意見が実際にどのように議会や役所内で扱われ意思決定が行われたか、判然としない方が多いのではないでしょうか。 日々の生活や仕事を通じて、私たち市民は行政に対する色々な感想を持ちますが、その“感想”を政策形成や事業化に資する“意見”として政治家や行政職員に届けるには、現状は制度が

    “サイレントマジョリティ”の市区町村行政への意見反映/南博 - SYNODOS
  • 人はなぜスケープゴートを作り出すのか?/釘原直樹 - SYNODOS

    災害や事故で大きな被害が出た時、あるいは不正行為や犯罪が明らかになった時、マスコミによる集中豪雨的な報道がなされることがある。そして往々にして、悪者探しが行われ、何が原因であるのかより、誰が悪いのかが追及される。すなわち、責任主体が不明確な場合でも、特定の人や集団がターゲットとして選び出されて非難されることもしばしばである。 これは、人が曖昧な状況やフラストレーションに長時間は耐えきれず、早急に責任者を選び罰することによって心の安寧を回復しようとするためであると考えられる。このような現象がスケープゴーティングであり、その対象となったものがスケープゴートと呼ばれる。 様々なスケープゴーティングが考えられる。例えば「いじめ」である。いじめられっ子の存在により学級の安寧が保たれている可能性があるため、その子がいなくなれば、別の子が対象として選び出される可能性が高い。それからいわゆる「バッシング」

    人はなぜスケープゴートを作り出すのか?/釘原直樹 - SYNODOS
  • 10人に1人がひきこもりを経験――内閣府ひきこもり調査を読み解く/井出草平 - SYNODOS

    2016年9月内閣府から最新のひきこもり調査の結果が報告された。内閣府による調査が2度目であることもあってか、メディアではあまり話題にはなっていない。各新聞社は報道しているがそのトーンは低調である。日経済新聞の報道では「初めて調査した前回の2010年から約15万人減った」というような記述もあり、発表内容にニュースバリューがあまりないと判断されたのかもしれない。 しかし、内閣府の調査報告書を詳細に読むと、いくつもの発見がある。前回の調査にはなかった項目が加えられていて、そこから新しい事実が判明しているのだ。特に注目すべきなのは「ひきこもり経験」(現在はひきこもりではない)の質問が追加されていることだ。ひきこもりを経験したのは8.4%、288万人(点推定値)であることがわかった。 現在、ひきこもり状態にある若者は1.6%とされ、それに経験がある若者8.4%を加えると9.7%なる。つまり、およ

    10人に1人がひきこもりを経験――内閣府ひきこもり調査を読み解く/井出草平 - SYNODOS
  • 給食費未納はモラルの崩壊か?――背後に隠れた子どもの貧困とは/ 『給食費未納』著者、鳫咲子氏インタビュー - SYNODOS

    費未納はモラルの崩壊か?――背後に隠れた子どもの貧困とは 『給費未納』著者、鳫咲子氏インタビュー 情報 #新刊インタビュー#『給費未納』#学校給費を未納している親の多くは「払えるのに払わない」? 給費未納の家庭に対し、大阪教育委員会が弁護士に取り立てを一部委託するなど、給費未納者への対応が厳しくなっている。給費を払わないのは「モラルの崩壊」が原因なのか。背後にある当の問題とは? 『給費未納』(光文社新書)著者である鳫咲子氏にお話をうかがった。(聞き手・構成/山菜々子) ――ご著書を読んで意外に思ったのですが、そもそも、給のない中学校もあるんですよね。 そうなんです。学校給は市町村で実施されています。中学のときに給があった人たちは、周囲の学校にも給がある。逆もまたしかりですので、違う地域どうしで話し合うと、お互いに「えー!? 給ってあったの/なかったの

    給食費未納はモラルの崩壊か?――背後に隠れた子どもの貧困とは/ 『給食費未納』著者、鳫咲子氏インタビュー - SYNODOS
  • イタリアはいかにして社会を精神病院から解放したのか/『精神病院はいらない!――イタリア・バザーリア改革を達成させた愛弟子3人の証言』編著者、大熊一夫氏インタビュー - SYNODOS

    イタリアはいかにして社会を精神病院から解放したのか 『精神病院はいらない!――イタリア・バザーリア改革を達成させた愛弟子3人の証言』編著者、大熊一夫氏インタビュー 国際 #バザーリア#精神病院 精神病院について何も知らない日の市民は、精神疾患を治して社会に戻してくれるところだと単純に思っているふしがあります。しかし、病棟を観察すれば、治療失敗例・没治療例・救済放棄例のルツボ。精神科のベッド数はなんと30万床以上で、単位人口当たり世界ダントツです。入院期間も世界に例を見ない長期収容です(世界の平均在院日数は20日程度。日は、1年以上の長期入院を続けている人が、20万人以上)。それは、医療の問題ではなく、入院の必要がないのに病院に留め置かれている「社会的入院」と言われる人が、厚生労働省が認めるだけで18万人(2011年度)もいるという日社会特有の問題でもあります。 ところが、もう35年以

    イタリアはいかにして社会を精神病院から解放したのか/『精神病院はいらない!――イタリア・バザーリア改革を達成させた愛弟子3人の証言』編著者、大熊一夫氏インタビュー - SYNODOS
  • 告発だけではダメ? 貧困問題の解決方法/『貧困の現場から社会を変える』著者、稲葉剛氏インタビュー - SYNODOS

    貧困の現場に長年携わり、その改革に力を尽くしてきた稲葉剛氏。その経験をまとめ、社会を変えることを呼びかける貧困の現場から社会を変える』を上梓されました。なぜ、いま貧困問題なのか。刊行の背景や現在の貧困問題に関してお伺いしました。(インタビュアー / NPO法人POSSE渡辺寛人) 渡辺 日貧困問題について考えたい、取り組みたいと思ったときに、入門的に学べる文献は、実は意外にもあまり多くありません。そこで、稲葉さんにそうしたを書いてもらいたいということで、堀之内出版とブラック企業対策プロジェクトから企画のご相談をさせていただいたのが、書を出版することになったそもそものきっかけです。 そして、書くだけではもったいないから講座にしようということで、2014年7月から「稲葉剛のソーシャルワーク入門講座」として全6回の公開イベントを開催、その内容を収録することになり、2016年9月に

    告発だけではダメ? 貧困問題の解決方法/『貧困の現場から社会を変える』著者、稲葉剛氏インタビュー - SYNODOS