性犯罪の重罰化などをふくむ刑法の改正案が、6月2日衆議院本会議で審議入りした。国会では、先日の記者会見で性被害を受けたフリージャーナリストの女性が素顔を明かし、加害者の不起訴処分に不服申し立てをした問題も取り上げられた。この改正案が成立すれば、明治40年の刑法制定以来はじめて性犯罪の規定が本格的に見直されることとなる。今回の改正案で性犯罪の処罰はどう変わるのか。注目すべきポイントと課題について伺った。(取材/大谷佳名) ――今回の刑法改正案に盛り込まれた重要なポイントを教えてください。 今回の刑法改正案(本改正案)は、明治40年以来の性刑法を抜本的に改正するものであり、細かく説明しますと多岐にわたるのですが[表1参照]、ここでは、ジェンダーニュートラル化(性の中立化)、重罰化、非親告罪化という3つの視点からその特徴を解説したいと思います。 第1の特徴は、ジェンダーニュートラル化(性の中立化