アベノミクスの第三の矢としての成長戦略に、大きな注目が集まってきた。しかし経済を成長させることに打ち出の小槌なような政策はない。過去のこのコラムでも書いたように、過去7年の間に「成長戦略」は(その基本方針やフォローアップを含め)7回作られてきたにもかかわらず、その成果は十分だとは認識されていないのだ。 そこで筆者は、成長戦略の基礎は「規制改革」と、「官業の民間開放」であるという視点に立って、突破口となる政策を提唱した。それが「アベノミクス戦略特区」と「コンセッション」(インフラ運営権の売却)だ。 総理主導で「アベノミクス特区」 筆者が経済財政政策を担当していた2002年、規制改革に関して一つの政策を提唱した。本来なら、規制緩和を全国的に展開するのが望ましいが、岩盤のような抵抗にあってそれがなかなか進まない現状を踏まえ、特定の地域に限って規制緩和を行うという「特区」の提案だ。 一例としてこの