たまに一戸建ての実家に行くと、普段のマンション生活がいかに便利で快適かを実感できる。17年前に建てたプレハブ住宅は、窓が多い上にサッシの断熱性能が低いため、冬は寒く夏は暑く、室温ムラも大きい。24時間換気システムはなく1、窓の結露もあって室内には湿気がたまりやすいが、無用心なので留守中や夜間に窓を開けて風を通すことができない。ディスポーザーがないので生ゴミの処理ができないうえ、ごみは収集日の朝にしか外に出せない。宅配ボックスがないため、留守の時にはいちいち再配送を依頼しなければならず、インターネット通販利用にはすこぶる不便だ。庭があっても手入れが大変で、毎日の水遣りが必要な夏場は長期間留守にできない。築5年のマンションと比較するのはフェアではないが、それだけに、マンションが一戸建ての利点を巧みに取り入れつつ、マンションでしか実現できない利便性や魅力を高めてきたことがよくわかる。 しかし、進