オリンパス内視鏡、米国で感染騒動 またも「不都合な真実」に蓋。大事な北米でFDAの不興を買ったうえに、集団訴訟の恐れ。 2015年4月号 DEEP by 山口義正(ジャーナリスト) オリンパスの「ココロとカラダ」は、やはり劣化が相当深刻なようだ。赤字続きのデジカメに加え、オリンパスの未来がかかる医療機器事業にも暗雲が垂れこめている。このところ、米国でマスメディアを賑わせているオリンパス製内視鏡による感染症拡大問題がそれだ。 例によってオリンパスの情報開示が不十分なうえ、国内メディアの報道も遅れているため、概要から説明しよう。発端は、2010年にオリンパスが十二指腸内視鏡TJF-Q180Vのデザインを変更したことから。従来型では内視鏡の先端キャップが外れる設計だったが、先端の外れない一体型に改め、洗浄や消毒が難しい形状になった。 米国法では、過去にFDA(米食品医薬品局)の認可を受けたものと